WEリーグ 激戦必至の好カードは塩越柚歩選手選手の美しい抜け出しで勝負あり 三菱重工浦和レッズレディースがジェフユナイテッド市原・千葉レディースを下す(無料記事)
激戦必至の好カードは、三菱重工浦和レッズレディースが試合巧者ぶりを発揮し完封勝利
2024年10月20日、前日の暑さと打って変わって、強風とさわやかな秋空の下で行われた2024−25 SOMPO WEリーグ第6節はアウェイに乗り込んだ三菱重工浦和レッズレディースが0−2でジェフユナイテッド市原・千葉レディースを退けました。
ピッチの選手とスタンドのファン・サポーターの熱が交錯する
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの今シーズンは、イスマエル オルトゥーニョ カスティージョ監督の指揮で、より強度を高く攻撃的になっています。しかし、ここのところ得点不足。しかも、失点が多く、ゴールキーパーにニコレッチ選手を起用しました。このカードは、昨シーズンに、一触即発のエキサイティングな試合となりました。今シーズンも激しいバトルが期待され、フクダ電子アリーナ・メインスタンドは1階、2階ともほぼ埋る熱気あふれるムードとなりました。
三菱重工浦和レッズレディースが17得点大勝 AWCL(AFC女子チャンピオンズリーグ)と女子ACLプレ大会から見えるアジア女子サッカーの現場
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースが先制していたら、どう転んでいたかわからない
三菱重工浦和レッズレディースの楠瀬直木監督は、試合後の会見の冒頭で行う試合の総括で、このように表現しました。
「失点していたらどうだったのかなと考えると、まだまだ、ちょっとやらなきゃいけないことがたくさんあると思っています。」
序盤は、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースはイスマエル オルトゥーニョ カスティージョ監督の狙い通り、両サイドを起点に戦うことができました。左の稲山美優選手が縦に突破。左で寄せた後に右に展開し、田中真理子選手が精度の良いクロスは狙い通りでした。
守備の連携が守から攻への切り替えが先制点を生み出す三菱重工浦和レッズレディースが主導権を握る
15分に左のスペースに抜け出した稲山選手のクロスを鴨川実歩選手がヘディングで合わせたシーンはジェフユナイテッド市原・千葉レディース最大のチャンス。しかし、それを凌いだ三菱重工浦和レッズレディースが、直後のプレー得点します。島田芽依選手がボール保持者にプレッシャーをかけ伊藤美紀選手がパスカット。スルーパス一本だけのショートカウンターを塩越柚歩選手が得点しました。
「島(田芽依)と(伊藤)美紀さんが良い形でスイッチ入れて奪い切ってくれたので、あとはオフサイドにならないように受けて決め切るだけでした。チームとして狙いを持ってやっているので良かったかと思います。」
三菱重工浦和レッズレディースは、セットプレーから高橋はな選手が得点し、前半のうちにジェフユナイテッド市原・千葉レディースを突き放しました。その後、試合終了間際まで中盤では激しい攻防が続きましたが、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースがゴール前に迫るシーンは、なかなか生まれませんでした。
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは強度と速さを発揮したが及ばず
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの小川由姫選手は悔しそうな表情で試合を振り返りました。
「相手の技術もあり、質の高いサッカーをされて『きつかった』という印象です。他のチームだったらとり切れるところでもすぐに相手ボールになってしまったり、寄せてパスコースを消していてもループでそこを通されてしまったり、アイディアも豊富で手強い相手でした。」
シュート数はチーム全体で4本。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースらしからぬ少なさです。しかし、何も何できずに敗れたわけではありません。
「(前節の)ちふれ戦に関しては『自分たちがやれなかったこと』が敗因だと思っています。今節は失点の形こそ悪かったですが、チャンスの作り方は前節と同じようなことはなく、昨シーズンにできなかったことができるように体現している所もあります。そのような面をプラスに捉え『次は絶対に勝とう』と(チームメイトと)話をしています。」
フォワードで出場した鴨川実歩選手は、敗戦を次につなげます。
「センターバックの2人のフィジカルの強さは、本当に迫力がありました。どうやって自分たちが攻撃まで持ってくかは毎試合で課題。今日は、もっともっと自分たちが成長しなければいけない部分を考えさせられる試合だったと思います。」
サンフレッチェ広島レジーナ+ビッグ3を追うジェフユナイテッド市原・千葉レディース
この試合の結果、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースと三菱重工浦和レッズレディースの順位が入れ替わりました。2試合少ない三菱重工浦和レッズレディースは勝ち点9で4位に浮上。ビッグ3と首位・サンフレッチェ広島レジーナ(勝ち点16)が第一集団を形成しました。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースも勝ち点で三菱重工浦和レッズレディースと並んでおり上位を追います。
次週はインターナショナルマッチウィークなので、2024−25 SOMPO WEリーグは行われず2024−25 WEリーグ クラシエカップのグループステージが開催されます。三菱重工浦和レッズレディースは試合がありません。
(2024年10月20日 石井和裕)