ゴールが遠い大宮アルディージャVENTUSは8戦未勝利 サンフレッチェ広島レジーナは強さを見せる(無料記事)
走り勝てるはずのチームが波に乗れず、2024−25 WEリーグ クラシエカップでも2024−25 SOMPO WEリーグでもまだ未勝利
大宮アルディージャVENTUSにとって1点が遠かった。7分間の長いアディショナルタイムに激しい攻防が繰り広げられましたが結果は無得点。2024年10月9日にNACK5スタジアム大宮で行われた2024−25 WEリーグ クラシエカップ グループA 第4節は0−1でサンフレッチェ広島レジーナが勝利しました。サンフレッチェ広島レジーナは首位・日テレ・東京ヴェルディベレーザを勝ち点差1で追っています。
サンフレッチェ広島レジーナにボールを動かされ押し込まれた大宮アルディージャVENTUS
大宮アルディージャVENTUSは大会初黒星。ただし、2024−25 WEリーグ クラシエカップの戦績は0勝1敗3分です。そして、2024−25 SOMPO WEリーグでも、まだ勝利を達成していません。思い切ったプレーをできない印象がチーム全体から漂います。
試合後の監督会見で柳井里奈監督は、選手起用と布陣について話しました。
「連戦がある中で、皆が努力していて一番コンディションが良い選手をまず使い、良さが出る方法として最終ラインは3枚でスタートした。」
ところが、試合が始まると両ワイドの選手が最終ラインに吸収され5人で並ぶ時間が長くなりました。
勝負どころでゴール前に人数が足りない
大宮アルディージャVENTUSは、ここ一番のところで相手ゴール前に人数を揃えることができず、なかなか得点機を掴むことができませんでした。バランスよく選手を配置し圧力をかけてくるサンフレッチェ広島レジーナに対応するために5人が最終ラインに並ぶと、どうしても前線と中盤の人数が少なくなってしまうのでした。サンフレッチェ広島レジーナは、大宮アルディージャVENTUSの攻撃枚数を揃えるための時間的猶予を与えない厳しい守備を素早く仕掛けてきました。
試合が進み、選手交代により大宮アルディージャVENTUSは3−4−3の布陣を際立たせ、後半の終盤はサンフレッチェ広島レジーナ陣内に攻め入ることが増えました。ただ、どうしても、あと一歩が前に出ない状況は、なんとか初勝利で重圧から放たれることで一挙に解決してほしいところです。
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サンフレッチェ広島レジーナは素晴らしさの凝縮した得点で勝利を掴む
対するサンフレッチェ広島レジーナは、どの選手も自信に満ち溢れて見えます。唯一の得点となった21分の攻撃は、強引に運んだボールから左サイドを早間美空選手が突破しクロス、逆サイドで待ち受けた中嶋淑乃選手がボレーで決めるビューティフルゴールです。
「(早間)美空のボールは当てやすかったですし(髙橋)美夕紀さんが開いて(ディフェンダーを)釣ってくれて自分はフリーだったのでコースを狙いやすかったです。」
FIFA U-20女子ワールドカップコロンビア2024で自信をつけて帰ってきた早間美空選手にとっては狙い通り会心のクロスでした。
「自分がクロスを上げようとしたときに(中嶋)淑乃さんがタイミング良く走っていたのが見えて、合わせただけなので(中嶋)淑乃さんがダイレクトで決めたのがすごかったです。」
このシーンには「強度」「走力」「バランス良い選手の配置」といったサンフレッチェ広島レジーナの素晴らしさが凝縮していました。
大宮アルディージャVENTUSは、まず1勝のために前進を
この日、採用された3バックのセンターでプレーした五嶋京香選手(大宮アルディージャVENTUS)は「1勝すれば波に乗っていけると思う」と話します。ボランチの西澤日菜乃選手は「皆の勝ちたい意識が強すぎて空回りしていることもある」と話し、相手のゴール前でもう一つ、冷静な崩しの工夫を加えることが大事だと考えています。
波に乗る具体的な方法は、まだはっきりと見えてこない。選手、スタッフの模索は続きます。とはいえ、次の試合は中4日でやってきます。難しい環境、限られた時間の中で、どこに目合わせするかが重要になりそうです。
(2024年10月9日 石井和裕)