セレッソ大阪ヤンマーレディースに勝機、底力を見せたジェフユナイテッド市原・千葉レディース フクアリ85分からの攻防(無料記事)
2024−25 WEリーグ クラシエカップ第2節、酷暑の激闘は鮮やかな同点弾で引き分け決着
2024−25 SOMPO WEリーグ開幕前の最後の試合、2024−25 WEリーグ クラシエカップ第2節、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースがフクダ電子アリーナにセレッソ大阪ヤンマーレディースを迎えた一戦は、終盤に激しく攻め合い1−1の引き分けとなりました。
若さを見せたセレッソ大阪ヤンマーレディース
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースのインテンシティが高いサッカーに苦しみました。思うように試合を運べなかったことについて、セレッソ大阪ヤンマーレディースの鳥居塚伸人監督は、課題を口にしました。
「選手は一生懸命やってくれています。けれども、その準備段階のところしっかりできないとパワーが出ない場面が結構ありました。自分が何をしないといけないのか、攻守において、もっと準備を徹底することで、強度も上げられると思います。」
苦しい試合で決めるエース・矢形海優選手
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは球際の強さで試合の主導権を握っていました。しかし、セレッソ大阪ヤンマーレディースは選手交代で前線に4人を並べる布陣に変更。サイド攻撃に厚みを加え攻勢をかけました。システム変更で中央から右サイドにポジションを移した矢形海優選手が88分に得点。勝利まであと一歩まで迫りました。
リード後の試合運びには別の選択肢もあったが
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの激しい攻撃を跳ね返し続けた筒井梨香選手は課題と収穫の両方を持ち帰る試合だったと捉えました。
「勝ち切れないところが自分たちの課題だと感じました。これまでは、前半・後半の入り15分に失点することが多かったですが、そこを修正することができたのは良かったです。」
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こちらもサイド攻撃で土壇場に追いついたジェフユナイテッド市原・千葉レディース
セレッソ大阪ヤンマーレディースの先制直後、90分+3に、今度はジェフユナイテッド市原・千葉レディースの小川由姫選手が、起死回生のミドルシュートを叩き込みます。稲山美優選手の突破からのクロス、鴨川実歩選手のクロス……畳み掛けるような連続攻撃からの劇的な同点弾です。失点に気落ちすることなく、アタッキングサードに6人が侵入。総攻撃は自身と意地の表れでしょう。
小川由姫選手は「攻撃のアクセント」から「試合を決める選手」へ
小川選手は、加入2シーズン目で初得点。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの放ったシュートは、これが15本目。今シーズンの攻撃力強化を印象付ける引き分け決着となりました。
「今シーズンは3バックにしたことで前に人数をかけていることが大きいです。前にすごいジェフタレントが揃っていると思うので(鴨川)実歩さんや(大澤)春(花)さんに相手が引き付けられているところを利用して、自分は隠れて点を決めていきたいと思います。」
相手を見てプレーできる強さ
気温29.3度。苦しい試合でした。それでも走り切ることができました。岸川奈津希選手は、試合後にチームの進歩を話しました。
「皆がやりたいプレーをできているし、相手を見てプレーを選択できているっことが大きい。」
次は2024−25 SOMPO WEリーグ
双方が、ゴールを奪うために死力を尽くした試合でした。特に85分からの攻防はスタンドをアツくし、足を運んだファン・サポーターの多くは「来て良かった」と感じたことでしょう。
次の週末は2024−25 SOMPO WEリーグの開幕です。両チームの選手は気持ちも新たに、次の戦いに踏み出します。
(2024年9月8日 石井和裕)