2024−25 WEリーグ クラシエカップ開幕 ちふれASエルフェン埼玉 自慢の守備がジェフユナイテッド市原・千葉レディースに破壊される(無料記事)
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースが圧勝で好発進
あいにくの雨。いつもはスタジアム外のエンターテイメントを楽しみに早くから来場されるファン・サポーターの多い熊谷スポーツ文化公園陸上競技場も、さすがに台風迷走の影響が大きく、試合前は人影がまばらでした。気温は25.4度。8月酷暑の熊谷市をイメージすると涼しさに驚きます。
今シーズンのWEリーグカップはクラシエがタイトルスポンサーとなり装いを新たにしました。ナイトゲームの照明に照らされたピッチサイドの広告看板には、ブランド名と商品名が並びます。
待ちに待ったシーズン開幕
選手紹介の前にチームのイメージ動画が上映されると自然に手拍子が始まりました。キックオフのカウントダウンを読み上げる大きな声がメインスタンドから起こりました。熊谷のファン・サポーターはこの日を待ち焦がれていました。
目指すサッカーを披露できなかったちふれASエルフェン埼玉
2024−25 WEリーグ クラシエカップの開幕を飾る試合は、球際の激しさとゴール前の見せ場の多いエキサイティングな試合となりました。ちふれASエルフェン埼玉のディフェンダー・大沼歩加選手はジェフユナイテッド市原・千葉レディースの人数をかけた攻撃に手こずりました。
「開幕に向けて準備してきましたが、練習試合と公式戦では全然違います。準備してきたつもりでしたが、千葉の守備の強度もあって3失点もしてしまいました。連携の部分でも課題がたくさん見えた試合でした。公式戦は甘くない。チームメイトとしっかり修正して改善しなければいけないです。」
デュエルでの劣勢がプレーを狂わせた
昨シーズンは「ドーベルマン・ディフェンス」が躍進の要因となったちふれASエルフェン埼玉ですが、この試合では、多くの選手が球際の競り合いで劣勢を強いられました。
そのため、中盤の選手が、せっかくのボールを簡単に前に蹴り出してしまう攻撃が目立ちました。昨シーズンは成果を出した攻撃方法です。しかし、今シーズンに池谷孝監督が取り入れようとしている狙い通りの攻撃手法ではありませんでした。池谷監督はハーフタイムに選手交代で5人のミッドフィルダーのうち4人を一気に交代する荒治療を行いました。
WEリーグ3連勝で5位浮上 「耐えて勝ち点」から「攻めに転じて勝ち点」へ ちふれASエルフェン埼玉の成長と思想家・フリードリヒ・ニーチェの引用
ハーフタイムの4枚替え
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースはちふれASエルフェン埼玉の3枚の最終ラインに攻撃的選手3枚を合わせて配置。ちふれASエルフェン埼玉は守備の数的優位を作ることができませんでした。池谷監督は63分に新加入の長江伊吹選手を左サイドバックに投入。システムを4バックに変更しました。しかし、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの攻勢を食い止めることができませんでした。
「守備の時間が長く、全然攻撃に参加できませんでした。試合には出場できましたが何もできなかった。すごく悔しいです。」(長江伊吹選手)
序盤はちふれASエルフェン埼玉が波状攻撃を仕掛けたものの、終わってみればスコアは1−3。ちふれASエルフェン埼玉はジェフユナイテッド市原・千葉レディースの前からのプレッシャーに屈し、自慢の守備はジェフユナイテッド市原・千葉レディースに破壊されました。
ジェフユナイテッド市原・千葉レディースが攻撃的チームに変身 理由は強力な両翼にあった2024−25 WEリーグ クラシエカップ開幕戦
早くも訪れる踏ん張りどころ
大沼選手は「相手チームに合わせずに、もっと自分たちのサッカーを追求しなきゃいけない」と話します。次節はアウェイでINAC神戸レオネッサとの対戦します。長江選手は古巣対決となります。「負けたくない」と話します。必要なのは挑戦です。ちふれASエルフェン埼玉には、桂亜依選手が無理目の体勢から強引に振り向い同点ゴールを決めた51分のプレーのような、泥臭くもチャレンジするプレーが求められます。
(2024年8月31日 石井和裕)