次世代なでしこ攻撃的センターバック 坂部幸菜選手「ベレーザの選手は誰もが圧倒的な力を見せたいと思ってプレーしている」
次のなでしこジャパンには最終ラインから質の高いビルドアップが必要となる。日テレ・東京ヴェルディベレーザには、攻撃センスに富んだディフェンダーがいる。
女子サッカーはFIFA女子ワールドカップと翌年に開催される五輪で周期が一区切りとなります。なでしこジャパン(日本女子代表)は、次のFIFA女子ワールドカップに向け2024年10月26日(土)に国立競技場で開催するMIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024でリスタートを切ることになります。
最終ラインの選手が、どれだけ、相手を混乱に陥れるか
日本の女子サッカー界にとって、多くの成果と課題を感じることになったパリ五輪でした。なでしこジャパン(日本女子代表)がさらに強くなるために、多くの人が最終ラインからのビルドアップに着目します。
なでしこジャパン(日本女子代表)のパスサッカーは、長谷川唯選手(マンチェスター・シティ)、長野風花選手(リバプール)をはじめ、中盤に優秀なプレーメーカーを置くことで成立しています。しかし、そこに厳しいマークがついたとき、試合の主導権を握ることが困難になりがち。そのため、最終ラインの選手が、中盤の選手に代わり、相手を混乱に陥れるプレーをすることが必要です。ドリブルによる駆け引きや効果的なパス配給が重要になります。
日テレ・東京ヴェルディベレーザの背番号22に注目
2023−24 WEリーグで、その攻撃的なセンスを存分に発揮した選手がいます。坂部幸菜選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)です。2003年生まれの21歳。かつて、岩清水梓選手が11年間も背負っていた背番号22を引き継いでいます。2021年10月にWEリーグデビューをすると、徐々に出場時間を伸ばし、2023−24 WEリーグは全22試合のうち21試合に出場しました。
今回は、次世代なでしこに迫ります。あらかじめ、お伝えしておきますが、主に3バックの右でプレーする選手です。
松田岳夫監督2シーズン目「ゼロからのスタートではなく土台がある
—今シーズンのトレーニング開始にあたり決意したことを教えてください。
坂部—昨シーズンはリーグ戦のほとんどの試合に出場することができました。充実感がありました。試合に出る嬉しさもありました。後ろからの攻撃参加を得意としているので、ゴール前に行くシーンを多く作れたのは良かったと思っています。だからこそ結果を残さなければいけない責任も感じました。
昨シーズンまでは、皆に支えてもらいながら試合に出ていた感じです。少しでも出場時間を増やせるようにがむしゃらにプレーしていました。
今シーズンはチームのことも考えられるようになってきています。チームに良い影響を与える存在になっていきたいと思っています。(先に開幕する) 2024−25 WEリーグ クラシエカップから、しっかりチームに貢献できるよう意識して練習に入っています。
もっとサッカーを深く理解したい貪欲な21歳
—トレーニングの始動にあたり松田監督からミーティングで示された方針はありますか?
坂部— 今シーズンはゼロからのスタートではなく土台があるので、それをどんどん積み上げていこうというお話はありました。昨シーズンは松田さんが来て初めてのシーズンだったので「サッカーの理解」というところから入りました。
松田さんの指導する4バックは永田さん(永田雅人さん:元日テレ・東京ヴェルディベレーザ ヘッドコーチ、現・FC町田ゼルビア アカデミー全カテゴリーヘッドコーチ)とはやり方が全く違いました。開幕直後は上手くいかないことが多かったのですが、徐々に形になっていきました。
そこから3バックにチャレンジ。全てを理解しきれずに昨シーズンは終わりました。今シーズンは、もっと理解を深められると思います。
空いているスペースを使えるようになってきた
—松田監督は「前が空いているならば勇気を持ってスペースに出ていくべきだ」とおっしゃります。坂部選手のプレーを見ると、まさにこのことだと思いますね。
坂部— 最初は、流れの中から前に出ていくことができませんでした。徐々に皆で自分のポジションを理解しながら、空いているスペースを使えるようになってきたと感じます。自分が前に上がったら、誰かが空いたスペースをカバーできるようになりました。皆がいろいろなポジションをできるのが日テレ・東京ヴェルディベレーザの強みです。だからできるプレーだと思います。
生まれた責任感 積極的に声を出していきたい
—今シーズンは、どのようなプレーを伸ばしていきたいとお考えですか?
坂部— 自分のパスからゴールにつながるプレーをもっと増やしていきたいです。
最終ラインを3枚で守り切りたい
—今のところボールを保持して攻撃する際の話ばかりになっていますね(笑)。それが、坂部選手らしさだと思います。では、次は、相手がボールを持っているとき(非保持)のプレーについても教えてください。
坂部— 3バックが連動して守りたいと思っています。
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