WE Love 女子サッカーマガジン

WEリーグ上位進出を狙うノジマステラ神奈川相模原 蘇る自信と活かす総合力

リーグ戦5位、カップ戦タイトル獲得、アカデミー強化と魅力あるフットボールで違いを見せる

ノジマステラ神奈川相模原は2024年8月17日に日テレ・東京ヴェルディベレーザとトレーニングマッチを行いました。得点こそ奪えませんでしたが、積極的な攻撃姿勢を披露。見学したファン・サポーターは、昨シーズンとの違いを感じることができました。

そして、翌18日、青山学院大学 相模原キャンパスで202425シーズン新体制発表会を開催しました。WE Love 女子サッカーマガジンでは、新体制発表会で宣言された目標、トレーニングマッチで確認した現在地、代表取締役社長 馬場正臣さんが経営視点で考えていること、WEリーグの課題等をお伝えします。

特に馬場代表へは202425シーズン新体制発表会の終了後に単独取材をしています。

発表された目標は202425 SOMPO WEリーグ5位、平均入場者数1千500人、カップ戦タイトル獲得です。選手の意気込みをご覧ください。

オフィシャルカメラの撮影シーン 前列左から長嶋洸選手(新加入)、大賀理紗子選手、南野亜里沙選手、川島はるな選手、榊原琴乃選手、笹井一愛選手、後列左から、馬場正臣代表、岩崎有波選手、久野吹雪選手、池尻凪沙選手、小笠原唯志監督

攻撃姿勢を披露できたトレーニングマッチ

まず、トレーニングマッチから振り返ってみましょう。

会場は多摩市陸上競技場。キックオフは9時30分ですが気温は30度を超える過酷な気象環境でした。45分×2本で行われました。日テレ・東京ヴェルディベレーザによると、30分×3本でなかった理由は、シーズン開幕が近づき前後半45分ずつの試合感を取り戻すためです。

池尻凪沙選手からの素早いディトロビューションに注目してほしいノジマステラ神奈川相模原

2本合計04でも見ればわかる昨シーズンとの違い

キックオフ直後、ファーストプレーで日テレ・東京ヴェルディベレーザは波状攻撃を仕掛けます。ノジマステラ神奈川相模原は、これを跳ね返すことができず失点します。続く33分の失点は左サイドを崩され逆サイドから詰められてしまいます。山本柚月選手のミドルシュートがゴールポストに当たり、跳ね返りを詰めた松田紫野選手が押し込みます。両ワイドの選手にボールが渡った攻撃でした。

3失点目はアーリークロスにダイビングヘッドで飛び込んだ鈴木陽選手。2本目に入ると33分に土方麻椰選手。日テレ・東京ヴェルディベレーザがバリエーションに富んだ得点を重ねました。

1本目:30、2本目:1

得点者

本目:1分 眞城美春、33分 松田紫野、41分 鈴木陽
2本目:33分 土方麻椰

ノジマステラ神奈川相模原の守備を仕掛ける位置は高く、ボールを奪えば、すぐに前進。相手ゴール前に迫ります。中盤以降の選手も最終ラインで安全なボール回しをするよりも前進を優先。目の前に少しでもスペースがあればボールを前に運ぶ姿勢が徹底されていました。スコアだけを見れば2本合計で04ですが、ビッグ3の一角を相手に意義あるトレーニングとなった印象です。

全体が連動して前からボールを奪いに動く

選手同士の会話も増え、考えながら成長するチームになった

明らかにチームは変化しています。小笠原唯志監督は、ここまでのチームづくりについて話しました。

「選手はよく話をするようになったと思います。今日の練習試合では、テントの中で久野(吹雪選手)を中心に皆が若手と一緒に喋っていた。練習中に僕が喋りたいのに選手が喋っていることもある。去年とは違う成長した姿だと思います。その中で(選手が)どうしたら良いだろうと迷うことは(監督・コーチが)サポートできるので、自分たちでしたいことがあれば言ってほしい。」

2024−25シーズン新体制発表会に来場されたファン・サポーターをハイタッチでお見送りする久野吹雪選手

チームは、昨シーズンの後半から成長過程にあります。小笠原監督は、ここからシーズン開幕に間に合うようにチームを仕上げていきます。

「トレーニングマッチのスコアには不甲斐ないところはありますが(プレーを通じて)感じてくれているところがあると思います。習慣化し日常を変えることができれば、開幕戦にはベストに持っていける。良いコンディション、良いメンタルでやれる気持ちに持っていきたいと僕は思っています。

チームのプレーモデル、戦術行動を支えるのは個人の戦術やスキルです。そこには反復が必要で成長にゴールはないと思います。自分に何が足りないのかを学べるので、これからもっともっと成長すると期待しています。」

ボールを奪うために激しく競り合う菅能夏海選手

蘇った自信とモチベーションを感じさせる選手コメント

選手は、どのように考えているのでしょうか。ここからは、202425シーズン新体制発表会での取材コメントを軸にお伝えします。

久野選手によると、選手同士の会話は守備のやり方に関する話が多かったとのこと。若い選手からも活発に発言がありました。進化の一端は、そうしたコミュニケーションの深化からも十分に感じられました。

南野亜里沙選手は「チーム全員が同じ方向に向かうのが大事になってくる。皆が同じ熱量で戦えるようにやっていきたい」と話します。大賀理紗子選手は「ダイナミックな速い攻撃や、守備の最後まで諦めないところを出せるチームを目指している」とコメント。いずれも、ここまでのトレーニングが良いムードで行われていると感じさせます。

最終ラインのリーダーは今シーズンも鉄人・大賀理紗子選手

上位進出には得点倍増が必要

202425 SOMPO WEリーグではチーム全体で30得点(昨シーズンは16得点)を目指しています。主将の川島はるな選手は、昨シーズンから、小笠原監督がチームの中心になるべき存在として名前を挙げていた選手です。今シーズンは、より得点のチャンスを増やすため、前目のポジションでプレーすることになるかもしれません。

「攻撃でも守備でも、スプリントのパワーを一つ大きなテーマにしています。シーズンを通してノジマステラ神奈川相模原の色として見せていきたいです。

前目のポジションでは、ディフェンスラインの裏への抜け出し、瞬発的なパワーをたくさん出せる、自分のストロングポイントを発揮できると思っています。それが、今シーズンに目指しているチームの色づけに貢献できると思っています。」(川島はるな選手)

主将としてチームを牽引する川島はるな選手

選手を支援し発揮され始めたノジマステラ神奈川相模原の総合力

この夏、ノジマステラ神奈川相模原は初めて北海道の北見市でトレーニングキャンプを行いました。北見市からの手厚いサポートもあり、充実した日々を送ることができました。

背番号10にちなみ5得点5アシストで合計10のゴールに絡むことを宣言した榊原琴乃選手

北見市合宿の陰にも株式会社ノジマあり

チーム全体で昨シーズンの振り返りを行い、新シーズンの方針を確認しました。新加入の長嶋洸選手は、短期間で多くの選手とコミュニケーションをとることができました。「カーリングを皆でしたのが楽しかった」と話しています。北見市はカーリングが盛んでカーリングチーム「ロコ・ソラーレ」の活動拠点としても知られています。

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