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なでしこリーグ2部に3千225人  地域に愛されるFCふじざくら山梨 簡単に真似できないが真似してほしい3つの達成理由+α

なでしこリーグ2部・FCふじざくら山梨が追求する独自価値を選手とGMの取材で振り返る

2024年4月28日甲府市のJITリサイクルインクスタジアム(小瀬)で開催された2024プレナスなでしこリーグ2部 第7節は、女子の3部(WEリーグを1部とした場合に上から数えて)リーグとしては異例の盛り上がりとなっていました。

スタジアムの外周では、スタジアムグルメをはじめ約30の店が並ぶ「ふじざくらdeツナガルマルシェ」が賑わいました。スタジアム内の大型ビジョンでは「ふじざくらシアター」と銘打ち、さまざまな映像作品を上映しました。

そして、 FCふじざくら山梨がFC今治レディースを迎え撃つキックオフ。試合が進み、場内に入場者数が3千225人とアナウンスされると拍手と歓声が沸き起こりました。

サポーターの声援に応える菅百花選手 写真提供:FCふじざくら山梨

明確な達成理由があるFCふじざくら山梨の順位(2位)と平均入場者数(1千310人)

プレナスなでしこリーグ2部は第17節を終え、2位のFCふじざくら山梨が首位の岡山湯郷Belleを追っています。注目は、試合結果、内容のみならず入場者数です。岡山湯郷Belleの平均入場者数は1千12人。FCふじざくら山梨の平均入場者数は1千310人。これをWEリーグ(12チーム)に当てはめると10位と9位に相当します。

なでしこリーグ2部に、なぜ、ここまで多くのファン・サポーターが集まるのでしょうか。FCふじざくら山梨の菅百花選手と五十嵐雅彦ゼネラルマネージャー(GM)にお聞きしました。

菅百花選手 写真提供:FCふじざくら山梨

念願の1部昇格が見える2位でサマーブレイクを迎えた

まずは戦いぶりについて。2位で終えると2024プレナスなでしこリーグ1部・2部入替戦に進出できます。ここまで連敗がありません。昨シーズンの7位と比べると大躍進です。残りは5節。FCふじざくら山梨には念願の1部昇格が見えてきました。

昇格という目標に目合わせをして今シーズンに入りました。試合を重ねていくごとに手応えが上がっています。先制点を取られても試合をひっくり返す力、追いつかれても突き放して勝ち切る力がつきました。

第2節から第5節までクラブ初の4連勝を達成しました。そこから上位は混戦になりました。第6節にSEISA OSAレイア湘南FCに負けて、もう一度、目合わせをしました。この試合はターニングポイントになったと思います。

昨シーズンとの違いをどこに感じますか?

昨シーズンは選手の人数が少なくフルコートでゲーム形式の練習をすることがなかなかできませんでした。今シーズンは選手が25人になりました。毎日がスタメン争いです。選手同士がかなり本気でぶつかり合えるようになったところがかなり変わったと思います。紅白戦の強度がかなり高く、リーグ戦の結果につながっていると思います。練習でうまく行かなかったことを修正して試合に活かせる。モチベーション高くできています。

富士山を間近に望むFCふじざくら山梨のトレーニング施設 写真提供:FCふじざくら山梨

観客数急増につながった3つの要素

ここまで入場者数が急増した理由は試合結果だけでしょうか?

五十嵐3つの要素があると思います。一つ目は「これまでの5年間で種を撒き続けてきた」こと。それが実ったと思います。

5年間で種を撒き続けてきた

クラブ設立から今シーズンまでの5年間でどのような種を撒き続けてきたのでしょうか?

五十嵐例えばヴァンフォーレ甲府さんに関して。ギブ&テイクのギブ、ギブ。ギブくらいを続けてきました。これまで、何試合もヴァンフォーレ甲府さんのホームゲームに足を運び、大事な試合の前に、FCふじざくら山梨の公式サイトから発信。FCふじざくら山梨がヴァンフォーレ甲府さんを応援しているという気運を醸成し続けてきました。地域のサッカー教室や地域交流も続けてきました。それによって、ヴァンフォーレ甲府さんのサポーターさんの中に「ヴァンフォーレ甲府を応援してくれているFCふじざくら山梨がJITリサイクルインクスタジアム(小瀬)で試合する際には応援に行こう」というムード(ギブ&テイクのテイク)が生まれました。5年間やり続けたことが一つの要因だと思っています。

地域活動(農業) 写真提供:FCふじざくら山梨

ターゲットを明確にして局地戦で勝つ

五十嵐 2つ目は局地戦で勝つことを目指してきた成果です。FCふじざくら山梨は、これまで、富士北麓地域、甲府市(小瀬)、韮崎市で試合をしています。それぞれ、誰に来てほしいのかを明確にして臨みました。

山梨県は他の地域と比べてエンタメが少ないので家族連れをターゲットにしました。例えば、各地域では、保育園と小学校に対して選手訪問も含めて重点的にアプローチしています。選手の母校の小学生に対しては、その地域で開催される試合での来場時に特定のインセンティブを用意。局地戦のプランを落とし込み、徹底的に情報周知を続けました。

地域活動(サッカー教室) 写真提供:FCふじざくら山梨

たくさんの人が共感できる目標設定 目指せ富士山登頂

五十嵐3つ目は「自分ゴト化」の推進です。2千人の来場を目指す「2000人登頂プロジェクト」を展開しました。

「2000人登頂」にはどのような意味があるのでしょうか?

五十嵐3千776という数字があります。

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