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元NBAスター娘、MLBスター妻、NFLスター婚約者 アメリカ女子代表 迫力・華麗な3トップになでしこジャパンはどう挑むか? 

アメリカ女子代表の華麗な攻撃に対抗するなでしこジャパン 宮澤ひなた選手(マンチェスターUTD)と守屋都弥選手(I神戸) 

金メダル獲得を狙うなでしこジャパン(日本女子代表)は準々決勝(2024年8月3日)を迎えます。対戦相手はアメリカ女子代表。これまでの対戦成績は1勝8分31敗。常に、私たちの行く手を阻んできた強豪チームです。 

前回の対戦は2024年4月7日に行われた2024シービリーブスカップ。清家貴子選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンWFC)が1分に電光石火の先制点を挙げ全米を驚かせましたが1−2で逆転負けを喫しています。しかし、2023年2月20日の対戦(2023シービリーブスカップ)も0−1で僅差。近年の対戦だけを見れば、以前よりも力の差は縮まっている印象です。 

過密日程に総力戦で挑むなでしこジャパン 

なでしこジャパン(日本女子代表)は、どのようにアメリカ女子代表に挑むのでしょうか。試合前日に、宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド)と守屋都弥選手(INAC神戸レオネッサ)がリモート取材に対応しました。 

宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド) 高円宮記念JFA夢フィールドで撮影 TOP写真も

勝利のために必要なのは、まず疲労回復 

「中2日で、しかも、移動もあって戦わなければならないので、皆、疲労は溜まっていると思います。睡眠、食事は今まで以上に気にしています。アイスバスで少しでも早く疲労回復できるようにすることも意識しています。」 

1年前の宮澤選手はインサイドハーフでプレーしFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023の得点王に輝きました。今大会は、ワイドのポジションに怪我人が続出したこともあり、宮澤選手がワイドのポジションを務めることも多く、まさに総力戦となっています。 

宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド) 高円宮記念JFA夢フィールドで撮影

ワイドのポジションが、どこまで前で仕掛けられるか? 

総力戦といえば、いつの間にか、このチームにバックアップメンバーがいたことを忘れている読者が多いかもしれません。池田太監督は、必要に応じて、18人のメンバーとバックアップメンバーを入れ替えてチームを構成してきました。守屋選手は、バックアップメンバーとして選ばれた一人。ブラジル女子代表戦とナイジェリア女子代表戦に出場しました。こちらも、怪我人の影響で、左ワイド(ブラジル女子代表戦)、右ワイド(ナイジェリア女子代表戦)のフル稼働です。 

「アメリカ女子代表は強い相手だとわかっています。ここで勝たなければ上に行けない。それが現実だと思うので勝ちたい。勝ちたいのですが、自分には楽しみな気持ちが大きいです。世界的に、この対戦カードを見て『アメリカ(が勝つの)だな』と思われている。自分としては何か燃えるというか、だからこそやろうという気持ちの方が強いです。」 

守屋選手は前回の対戦で清家選手が得点したようなプレーでチャンスを作ることはできるだろうと考えています。 

切り替え速さが重要に 

自身のポジションでは何が大切になるのでしょうか。守屋選手は左ワイドでも右ワイドでも、出場したからには積極的に、かつ、慎重にプレーしたいと考えています。 

「アメリカ女子代表は左上がりで来ることが多いと思います。右ワイドで出場した場合に、そこを自分一人で守備しようとしたら、スピードでぶち抜かれる可能性があります。縦切りしつつだったり、同じサイドの選手と連携したりしながらボールをとりたいです。相手が上がっている分、そこは相手の穴になるので、切り替えの速さが重要になってくると思います。自分の走力で惜しみなく駆け上がりたいす。 

左ワイドとしては2024シービリーブスカップであまり攻撃できなかったのでチャレンジしてクロスを上げたいです。」 

守屋都弥選手(INAC神戸レオネッサ) 高円宮記念JFA夢フィールドで撮影

フレッシュな攻撃陣を揃えたアメリカ女子代表 

約1年前、アメリカ女子代表はFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023をベスト16で敗退。自他共に認める女子サッカー大国は過去最悪の成績でどん底にいました。 

そこからリスタート。あのアレックス・モーガン選手(サンディエゴ・ウェーブ)をはじめ、多くのFIFA女子ワールドカップ経験者が姿を消しました。今大会のメンバーは大きく若返っています。 

世界屈指の名将が新監督に就任し、いまだ負けなし 

これまで、日米の力の差は縮まる傾向にありましたが、今回に対戦するメンバーによるサッカーは、日本が4月に対戦したチームとはかなり違うと考えておいた方が良いでしょう。なぜなら、その後、エマ・ヘイズさんが監督に就任したからです。 

エマ・ヘイズさんは世界屈指の名将です。昨シーズンにチェルシーの監督としてイングランド女子プロサッカーリーグWSL5連覇を達成。就任以来7度もリーグ優勝に導いています。2020~21年シーズンは女子FAカップとリーグカップを制して3冠を獲得し、FIFA女子最優秀監督賞に選ばれました。2022年にはバッキンガム宮殿で、ケンブリッジ公爵ウィリアム王子から大英帝国勲章を授与されています。昨シーズンをもってチェルシーの監督を退きました。 

欧州のトレンドに乗りはじめたアメリカ女子代表 

エマ・ヘイズさんの就任以来、アメリカ女子代表は失点の少ないチームになりました。 

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