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ザスパ群馬レディース 群馬県太田市で始動 GM・三科真澄さん(ソフトボール北京五輪金メダリスト)の感じるエネルギー

パリ五輪の年に、オリンピアンがゼネラルマネージャーGMに就任する女子サッカーチームが誕生

ザスパ群馬レディースがスタートします。活動拠点は前橋市ではなく太田市、ザスパ群馬とは別法人である株式会社ザスパ群馬レディーススポーツクラブによる運営、ゼネラルマネージャー(GM)は北京五輪金メダリスト。新クラブ立ち上げは、異例が三重奏になったようなニュースです。

2025年から公式戦参入を目指し選手を募集

ザスパ群馬レディースは、来シーズン・2025年群馬県サッカーリーグ2部参戦に向けて、第1期選手の募集を開始しました。監督には、バニーズ群馬FCホワイトスターでの指導経験がある小林勉さんの就任が決まりました。TOP写真の中央はゼネラルマネージャー(GM)に就任した三科真澄さん、左は代表取締役を務めるのは須永和昭さん、右は経理と営業を担う木間浄美(このまきよみ)さん。現在はクラブの基礎を固めています。

今回は、ザスパ群馬レディースが何を目指しているのかをお伝えします。リモート取材を通して、意外な立ち上げ経緯が見えてきました。

地域活性に賭ける使命感と女子スポーツを応援する熱意が新クラブを生み出した

まずは、ゼネラルマネージャー(GM)に就任した三科真澄さんにお話をお聞きしました。三科さんはサッカーのプレー経験がありません。ソフトボールの日本代表として北京五輪で世界一に輝いたオリンピアンです。太田市在住。選手時代は日立高崎女子ソフトボール部でプレーし、引退後はビックカメラ高崎ビークイーンのコーチ、東京国際大学の監督を務めました。

地域に密着し、地域を元気に、地域から愛されるクラブへ

三科さんは、新クラブの立ち上げに際し、基本方針を発表しました。 

「『熱意』『誠意』『創意』この3つを大切にし、情熱があるクラブ、誠実であるクラブ、工夫を楽しむクラブであり、地域に密着し、地域を元気に、地域から愛されるクラブづくりに邁進いたします。」

ゼネラルマネージャーに就任した三科真澄さん(ソフトボール北京五輪金メダリスト)

金メダリストはなぜ女子サッカーに飛び込んだのか?

なぜ、ゼネラルマネージャー就任を引き受けたのでしょうか。新たな女子サッカークラブ立ち上げに関わる人々の話を聞いてみると、地域活性にかける使命感と女子スポーツを応援する熱意が、このチーム立ち上げに結びついたと感じます。

「いろいろなお話を聞いて熱意が伝わってきました。今までソフトボールから学んできたことが生かせればと思い大役を引き受けることにしました。それと同時に責任の重さや、さまざまなことが自分にかかってきますけれど、すごく楽しみです。」

ソフトボールでの経験をクラブづくりに活かす

群馬県の女子スポーツといえば、まず、ソフトボールを想起する方も多いと思います。三科さんは指導現場から離れた最近も、試合会場のMCや番組出演、パブリックビューイング・イベントのゲスト出演等で、地域のスポーツに関わってきました。

「選手として約20年間、実業団でプレーしました。指導者も約10年間やってきました。現場にずっと携わらせていただき、チームのメンバーでしか味わえない感覚と、メンバーではない応援する人たちが『チームにこうなってほしい』と思う熱を感じてきました。

今回はチームをゼロから立ち上げています。地域を活性化し、子どもたちに夢を届け、将来は日本女子代表を輩出したい……すごい夢が膨らんでいます。こうしたスポーツチームはスポンサーのご協力、ファンの応援があるから成り立ちます。

これから集まる選手たちには、こうしたチーム立ち上げに尽力くださった皆さんへの感謝の気持ちを忘れることなく、良いパフォーマンスを披露していただきたいと思います。そのための仕事を私はすることになります。」

太田駅北口活性化に取り組んできた代表取締役 須永和昭さん

新チームのために立ち上げた株式会社ザスパ群馬レディーススポーツクラブで代表取締役を務めるのは須永和昭さんです。太田駅北口で「大衆食堂 昭和レトロ居酒屋 わっしょい」を経営する等、飲食業を中心に事業展開してきました。太田駅北口商店街周辺を会場とする「キタグチタウンイベントマルシェ」を地域の仲間と一緒に立ち上げ、地域活性にも取り組んでいます。「キタグチタウンイベントマルシェ」は飲食、物販、音楽、ダンス、伝統芸能、国際交流等がミックスされた複合型地域イベントで、太田市が後援しています。

須永さんと女子サッカーとの関わりは関東学園大学女子サッカー部の応援からでした。関東学園大学女子サッカー部は太田市を活動拠点としています。太田市から、多くの選手が、なでしこリーグやWEリーグに羽ばたいていきました。

「大衆食堂 昭和レトロ居酒屋 わっしょい」はザスパ群馬ホームゲームの日にスポンサーでもある富士交通から頂いたTシャツを着てお客様を迎える 提供:須永和昭さん

女子サッカークラブを育て群馬県全域にザスパ群馬の人気を広げたい

これまでザスパ群馬のホームゲームにキッチンカーを出店していた須永さんが「レディースチームのトップチームを作りましょう」とザスパ群馬に働きかけたことから、このプロジェクトは始まりました。

活動拠点の候補として太田市を提言しました。なぜなら、ザスパ群馬の人気を群馬県全域に広げるためには、前橋市や高崎市から離れた東部の太田市に拠点が必要だと、須永さんが考えたからです。そして、これまで須永さんが努力してきた太田市の活性化にもつながると考えていました。

東武線太田駅北口にある太田市美術館・図書館 提供:須永和昭さん

ザスパ群馬は、面白い提言でありながらもクラブ内のリソースを割くことができません。そこで、須永さんに「フランチャイズとして、ザスパ群馬とは別法人でザスパ群馬レディースを立ち上げてはどうか?」とプランを戻しました。こうして、ザスパ群馬レディースは太田市に誕生することが決まりました。

「まず立ち上げて、後から行政の支援を受けるクラブチームが多いと思いますが、ザスパ群馬レディースは最初から地域づくりの中にクラブチームを置いて立ち上げる考え方です」と話す須永さん。「本当に地域に根ざしたクラブチームにしていきたい」と考えています。

まちづくりや地域活性、イベント等で一緒に活動している一般社団法人AND TSUNAGU PROJECTの皆さん(右が須永和昭さん) 提供:須永和昭さん

レディースU-18チーム・U-15チームは引き続きザスパ群馬のアカデミーが運営

少しわかりにくいのですが、ザスパ群馬のアカデミーでは、今回、発足したザスパクサツ群馬レディースとは別にレディースU-18チーム・U-15チームが引き続き活動します。この、アカデミーのレディースチームは、現在、U-17日本女子代表 監督を務める白井貞義さんが、かつては2020年まで監督を務めたことで知られています。

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