WE Love 女子サッカーマガジン

WEリーグ始まって以来のベストゲーム 清家貴子選手91分の同点ゴールで浦和から海外へ旅立つ #女子サカマガ WEリーグ ピックアップ(無料記事)

清家貴子選手2得点、長船加奈選手初得点、鈴木佐和子選手が守り切り締めくくる

2024年5月25日に行われた202324 WEリーグ 第22節は3-3で引き分け。この結果、三菱重工浦和レッズレディースレッズレディースは18勝1敗3分の勝ち点57で全日程をフィニッシュ。2位浮上の可能性があった日テレ・東京ヴェルディベレーザは13勝2敗7分の勝ち点46で3位に終わりました。

最後までスリル満点の好ゲーム

入場者数は3千924人。メインスタンドは日テレ・東京ヴェルディベレーザ側前列以外がほぼ埋まり、赤く染まりました。ビジタースタンド(いわゆる出島)も全体が緑に染まりました。これまで両チームが築き上げてきた黄金カードの価値を物語る、素晴らしい雰囲気となりました。サポーターのパフォーマンスも含め、WEリーグ3シーズンのベストゲームと言って良い好ゲームになりました。

海外移籍の準備が発表されている清家貴子選手 写真提供:WEリーグ TOP写真も

前半は日テレ・東京ヴェルディベレーザが圧倒

三菱重工浦和レッズレディースの原点は「まず前へ」ですが、序盤は守備が受け身になり、攻撃面ではボールを大切にしすぎた面もあって日テレ・東京ヴェルディベレーザに主導権を握られます。日テレ・東京ヴェルディベレーザの先制点が9分。その後も、ほぼ三菱重工浦和レッズレディース陣内で試合は進み23分にコーナーキックから追加点。30分までは、ほとんどのプレーが三菱重工浦和レッズレディース陣内で行われました。

赤い稲妻・清家貴子選手(浦和)が止められない、止まらない WEリーグ対戦相手の声から理由を考える 5つの重要証言 

それでも決め切る清家貴子選手

三菱重工浦和レッズレディースとの契約を更新しないことを発表した清家貴子選手は、これが浦和駒場スタジアムでプレーする最後の試合。全てのファン・サポーターの注目が集まる中で40分にゴールキーパーと一対一を逃さず決めて見せました。メインスタンドに向け左胸のエンブレムを誇示しました。試合後に「あれを決め切れるようになったのが今シーズンの成長」と、得点を振り返りました。

得点しボールを持ってセンターサークルに走る清家貴子選手 写真提供:WEリーグ

最後は千両役者の同点弾

後半は、三菱重工浦和レッズレディースがシステム変更と選手交代で主導権を握り返し白熱。2-3で日テレ・東京ヴェルディベレーザが1点リードして迎えたアディショナルタイムは7分の表示。91分に同点ゴールが決まりました。決めたのは、またしても清家貴子選手。実に劇的。スタンドは総立ちで興奮状態になりました。

「自分が決めましたが、チームと、このスタジアムに来てくれたサポーター全員が押し込んだ得点だと思います」と、清家選手。また「自分が(これまで)在籍していた中で、本当に最高のチームだったと思います」と今シーズンの三菱重工浦和レッズレディースに胸を張ります。

清家選手は「このチームで学べる全てのことを吸収しよう」と思い、戦い続けた今シーズンで、日本国内では敵なしの存在になりました。残した記録は10試合連続得点を含む20得点。「チームメイトが喜びサポーターが喜んでくれる、その瞬間が一番好きなので、そういう幸せな時間を得るために頑張れた」と話します。

三菱重工浦和レッズレディースが日本の女子サッカーの先頭を走り始めた WEリーグ・アジア二冠 6つの要因 選手・監督コメントから

自信を胸に海外移籍

清家選手は、まだ次のチームとの契約をしていないと言います。どの国のどのチームと交渉しているのかも明かしていません。しかし、決心はできています。「短いサッカー人生なので、いろいろな経験をしたいという思いもあり、自分のレベルを上げたいという気持ちでチャレンジすることを決めました」と海外移籍の理由を話しました。

清家選手は1年前にも海外のチームからオファーを受けています。そのときは迷いました。今シーズンの途中で再びオファーを受け、今回は海外移籍を決断しました。この一年間で、どれほどの自信を得ることができたでしょうか。

「ここ最近は代表で海外のチームとプレーすることが多くなりました。アメリカ女子代表からも点をとれて自信になりました。自分がどこまでできるか楽しみという気持ちが大きいです。得点に関わる部分が自分のアイデンティティだと思うので、そこを存分に見せていけたらと思います。」

楠瀬直木監督は試合後の会見で「助っ人として行くのだからチャレンジではない。ゴールを量産しろ。」とエールを贈ったことを明かしました。

苦しいリハビリから復帰した長船加奈選手 写真提供:WEリーグ

長船加奈選手に訪れた歓喜

なお、清家選手の得点シーンに負けず劣らず大歓声が上がった瞬間があります。長船加奈選手の得点です。かつては、なでしこジャパン(日本女子代表)として世界の舞台で戦ってきた長船選手は、WEリーグがスタートしてからは怪我に苦しみ、自分の身体と向き合い続ける毎日でした。嬉しいWEリーグ初ゴールです。

「リハビリ続きで、なかなか復帰してからも試合絡めていなかったので、最後でこうやって皆と一緒に楽しくサッカーをできて良かったです。

めちゃくちゃ喜びたかったのですが、負けていたので、とりあえず早く戻って早く試合を始めないと、という気持ちの方が強かったですね。」

そうした気持ちが、最後に清家選手の同点ゴールを生み出しました。

試合後のセレモニーが引退の花道となった鈴木佐和子選手 写真提供:WEリーグ

これぞWEリーグ

楠瀬監督は、今シーズン限りで引退が決まっている鈴木佐和子選手をピッチに送り出しました。86分のことでした。こうした采配を含め、今のWEリーグらしさが凝縮された素晴らしいゲームでした。

(2024年5月25日 石井和裕)

 

浦和レッズレディース清家貴子選手「ファン・サポーターに煽られる感じがあります」優勝インタビュー

2020年11月、三菱重工三菱重工浦和レッズレディースレッズレディースが最後になでしこリーグで優勝した直後のインタビュー記事。清家選手は記者会見で、サイドバックにコンバートを含め指導してくれた森栄次監督(当時)へ感謝のコメントを残しました。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ