WE Love 女子サッカーマガジン

発表! 2023年 日本の女子サッカー ニュース・トップ10(無料記事) 

WE Love 女子サッカーマガジンがお届けしたニュースから1年間を振り返る  

読者の皆さんにとって2023年はどのような一年でしたか。今年も #女子サカマガ の記事から一年間を振り返ります。夏にはFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023が開催され、なでしこジャパン(日本女子代表)の躍進が話題となりました。あの頃の女子サッカーのニュースを思い起こしてみてください。あの騒動のことは忘れてはなりませんね。2023年は、WEリーグがサッカー界に一石を投じ、日本の女子サッカーの流れが変わった年だったのかもしれません。 

それでは、2023年1月1日から12月26日までのアクセス数の多い記事・トップ10をご紹介しましょう……の前に、12位と11位のこの記事から。 

12位 岩渕真奈選手現役引退 「天国から授かる日本の奇跡」が16年間のプレーを終え女子サッカーの未来へ踏み出す なでしこジャパン優勝メンバー 

岩渕真奈選手現役引退 「天国から授かる日本の奇跡」が16年間のプレーを終え女子サッカーの未来へ踏み出す なでしこジャパン優勝メンバー 

2023年9月8日、アディダスジャパンで岩渕真奈選手の現役引退記者会見が行われました。涙の会見と、一転、笑顔が眩しかった翌日の引退後初仕事を追跡取材しました。岩渕真奈選手が引退を表明すると、過去の所属クラブが、これまでのプレーを労うメッセージを発信しました。バイエルン・ミュンヘン、アストン・ヴィラ、アーセナル、トッテナム・ホットスパー……岩渕選手は世界中から愛され続けてきました。時の流れは止まりません。偉大な女子サッカー選手が引退したことで、日本の女子サッカー界が、また一つ、新たな時代に足を踏み入れた印象を受けました。 

11位 なぜFIFA女子ワールドカップの放映権を高額とする必要があったのか 女子サッカーに特化したスポーツビジネスカンファレンスで語られた放映権高騰の舞台裏 

なぜFIFA女子ワールドカップの放映権を高額とする必要があったのか 女子サッカーに特化したスポーツビジネスカンファレンスで語られた放映権高騰の舞台裏

FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023開幕直前に話題を独占したのは放映権問題でした。日本では、FIFA女子ワールドカップの放映権料を高騰させたF I F Aへの批判が高まっていました。では、なぜ、放映権料は高騰したのか、その背景を辻翔子さんにお聞きしました。辻さんは世界中でプレーする約7万人の選手を支える国際プロサッカー選手会(F I F P R O)で働く初のアジア人です。 F I F P R Oは女子サッカー選手の待遇改善のためにF I F Aと交渉を行ってきました。その結果、FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023は「前々回大会の10倍の賞金総額」となったのです。この記事で、その経緯が語られたことがきっかけとなり、 F I F Aへの批判のトーンが少しずつ変わっていきました。放映権料の高騰は女子サッカーの未来につながる投資を促す手段だったのです。交渉の当事者ならではのお話でした。 

では、2023年 日本の女子サッカー ニュース・トップ10から見える日本の女子サッカーの最前線を見ていきましょう。 

シドニーで会ったオーストラリア女子代表のサポーター

10位 閉幕・WEリーグ入場者数低迷の本当の理由は? 数字で検証する秋春制の影響 さらに重大な「WEリーグ3月問題」と「憧れの形成」を振り返る 

閉幕・WEリーグ入場者数低迷の本当の理由は? 数字で検証する秋春制の影響 さらに重大な「WEリーグ3月問題」と「憧れの形成」を振り返る

2023年6月10日、2022−23 YogiboWEリーグは第22節を終えシーズンが閉幕しました。試合内容、運営、WE ACTION 等で大きな進歩があったものの平均入場者数は1千401人にとどまりました。WEリーグの入場者数の伸び悩みが話題となる際に秋春制を最大の問題に挙げる人が多数存在します。しかし、その多くはイメージだけで語られており、実態とは大きな乖離があります。なぜなから、具体的な数字の推移を見てみると、秋春制が最大の問題とは言い切れない現象が顕在化するからです。見えてくるのは「WEリーグ3月問題」です。12月、1月よりも3月中旬からの入場者数が落ち込むのです。つまり、現在のWEリーグのファン層が春秋制のJリーグと重複しているのでJリーグが開幕すると集客に陰りが出るのではないかという仮説が浮上します。数字から検証してみました。 

9位 <続報>FIFA女子ワールドカップ国内テレビ中継実現のためだけにクラウドファンディングを行いたい 髙田チェア「女子サッカーの盛り上げは自分たち(WEリーグ)の仕事」(無料記事) 

<続報>FIFA女子ワールドカップ国内テレビ中継実現のためだけにクラウドファンディングを行いたい 髙田チェア「女子サッカーの盛り上げは自分たち(WEリーグ)の仕事」(無料記事)

11位でご紹介した放映権を解決するため、WEリーグ チェアの髙田春奈さんが驚きの発言をして世間から注目を集めました。「クラウドファンディングのような形」で、WEリーグが放映権料を集めたいと発表したのです。現実的な方法なのか、それはクラウドファンディングで実現するのか、集めたお金の使い道はどうなるのか……といった疑問を解決するため取材を行い記事を掲載することができました。6月は、なでしこジャパン(日本女子代表)のメンバーよりも髙田春奈さんが注目を集めていた女子サッカー界でした。 

8位 欧州女子サッカーの風はWEリーグに吹くか イングランドとオランダから加入 ノジマステラ神奈川相模原 菅能夏海選手、平國瑞希選手の挑戦 

欧州女子サッカーの風はWEリーグに吹くか イングランドとオランダから加入 ノジマステラ神奈川相模原 菅能夏海選手、平國瑞希選手の挑戦 

多くの日本人選手が欧州でプレーしています。逆に、欧州から日本に戻ってきた選手もいます。なでしこリーグでプレーし欧州へ移籍、一年後に帰国しWEリーグでプレーすることになった二人の選手に着目してみました。なぜ欧州でプレーし、なぜ帰国したのか、本音に迫った記事です。それにしても、お二人は仲が良いですね。 

7位 なでしこジャパンの明暗 千葉選手と宮澤選手が表情を緩めたとき、池田監督と田嶋会長が険しい表情を見せたとき 女子ワールドカップ・メンバー発表 

なでしこジャパンの明暗 千葉選手と宮澤選手が表情を緩めたとき、池田監督と田嶋会長が険しい表情を見せたとき 女子ワールドカップ・メンバー発表

FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023を戦う23人が発表されました。海外の各サッカー協会の発表を見ると、夢や希望に満ち溢れた明るいトーンが印象に残ります。例えば、アメリカ女子代表のメンバー発表動画にはバイデン大統領とテイラー・スウィフトさんが登場しました。一方、なでしこジャパン(日本女子代表)のメンバー発表は重苦しい空気に包まれました。岩渕真奈選手の名前が読み上げられなかったことに質問が集中したからです。次回からは、ぜひ発表方法を改善してほしいと思いました。 

6位 なでしこリーグ1部優勝争いは「ちょっとうまく言葉が見つからない」大差の試合結果に ニッパツ横浜FCシーガルズが敗れオルカ鴨川FCは次節にも優勝決定へ(無料記事)  

なでしこリーグ1部優勝争いは「ちょっとうまく言葉が見つからない」大差の試合結果に ニッパツ横浜FCシーガルズが敗れオルカ鴨川FCは次節にも優勝決定へ(無料記事)

2023プレナスなでしこリーグ1部は大詰め。序盤に首位を快走していた2位のニッパツ横浜FCシーガルズが日体大SMG横浜を迎えた「なでしこ横浜ダービー」は予想外の結果に終わりました。2−6で日体大SMG横浜が勝利。その結果、首位のオルカ鴨川FCが初優勝に大手をかけました。一枚の写真が試合後に別れた明暗を物語っていました。 

5位 なでしこジャパン(日本女子代表)スタメン予想 戦術理解の入口 3バックとワイドなポジションの連携で高い位置から相手を潰せるか 

なでしこジャパン(日本女子代表)スタメン予想 戦術理解の入口 3バックとワイドなポジションの連携で高い位置から相手を潰せるか

なでしこジャパン(日本女子代表)はFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023本大会直前まで、スリーバック(3―4―3)のフォーメーションをトライしていました。なぜ、このフォーメーションを導入する必要があったのか、どこを見れば、このフォーメーションが機能しているかを理解しやすいのか、といったポイントを解説しました。本大会では「3バックとワイドなポジションの連携」が、なでしこジャパン(日本女子代表)躍進の原動力となりました。開幕後も、長期に渡り閲覧された記事です。 

4位 なでしこジャパン スウェーデン女子代表と準々決勝 「自分も想像できないような自分になりたい」浜野まいか選手と林穂之香選手に注目 大井美波選手(P18I Kフットボール)に聞く女子サッカー大国 

なでしこジャパン スウェーデン女子代表と準々決勝 「自分も想像できないような自分になりたい」浜野まいか選手と林穂之香選手に注目 大井美波選手(P18I Kフットボール)に聞く女子サッカー大国

なでしこジャパン(日本女子代表)は準々決勝に進出。強豪のスウェーデン女子代表と対戦することが決まりました。そこで、スウェーデンでプレーする大井美波選手(P18I Kフットボール)にリモート取材し、スウェーデン国内の様子をお聞きしました。試合の見どころについても解説しました……が、実際にはスウェーデン女子代表は、準々決勝を勝ち抜くためにいつもとは違う戦術を用意してきたのでした。 

3位 FIFA女子ワールドカップのテレビ中継はなぜ決まらないのか 「放映権契約のプロフェッショナル」が考える「JFAが優先すべきこと」 

FIFA女子ワールドカップのテレビ中継はなぜ決まらないのか 「放映権契約のプロフェッショナル」が考える「JFAが優先すべきこと」

FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023開幕直前まで解決の糸口が見えなかった放映権問題について「放映権契約のプロフェッショナル」に解説と提言をお願いしました。お話ししてくださったのは株式会社小西FCの小西孝生さんです。小西さんは1992年にJリーグに入社。2000年にJFA(日本サッカー協会)へ事業部長として出向。2004年にJリーグに復帰してからは、Jリーグメディアプロモーション、株式会社Jリーグの社長などを歴任されました。現在はJリーグの参与。豊富な事例を引用し、わかりやすく解説していただきました。サッカー業界内で特に反響の大きかった記事です。 

2位 FIFA女子ワールドカップ放映権問題 勘違いしがちな女子サッカー11の視点 

FIFA女子ワールドカップ放映権問題 勘違いしがちな女子サッカー11の視点

ここまで女子サッカーをテーマに日本中で議論が起こったのは久しぶりだったかもしれません。あまりスポーツを取り上げないテレビの情報番組でも放映権問題が特集されるようになりました。しかし、放映権契約は複雑なため、メディアの報道の中にも誤解や解釈の逸脱が散見されました。さらには、解決しない苛立ちからか、デマも目立つようになっていきました。そこで、取材から明らかになった正しい情報を整理してお届けする必要性が生じました。先に紹介した、WEリーグが準備しているクラウドファンディングの方法、放映権料の高騰は女子サッカーの未来につながる投資を促す手段だということも、改めてお伝えしました。 

1位 スウェーデンとは僅差 なでしこジャパン帰国会見 宮澤ひなた選手の去就についての発言も 

スウェーデンとは僅差 なでしこジャパン帰国会見 宮澤ひなた選手の去就についての発言も

南半球での激戦を終えたなでしこジャパン(日本女子代表)のメンバーと池田太監督が羽田空港へ帰ってきました(一部のメンバーは成田空港)。深夜に行われた帰国会見に出席。生の声を記事化しました。宮澤ひなた選手は大会得点王に輝き、一躍スター選手の仲間入り。一際大きな注目を集めていました。噂の海外移籍挑戦にも少しばかり発言したため、多くの読者がこの記事へのリンクをタップしました。この記事が、WE Love 女子サッカーマガジンのFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023のまとめとなりました。そして、すぐに、パリへの歩みが始まりました。 

シドニーで会ったオーストラリア女子代表のサポーター

 いかがでしたか。低迷の印象が強かった2022ー23 WEリーグが閉幕し、放映権問題で話題となった日本の女子サッカーがFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023で躍進し注目を集めていった一年間を振り返ることができるニューストップ10だったのではないでしょうか。 

さて、もうすぐ2024年。パリ五輪の年がやってきます。 

(2023年12月26日 石井和裕) 

 

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ