WEリーグ開幕直前 日テレ・東京ヴェルディベレーザをホームタウンの北区が激励 地域の強みを引き出せる女子サッカーへ
七福神広場で日テレ・東京ヴェルディベレーザのWEリーグ激励会が開催され、赤羽駅前は笑顔に包まれました。平日昼間にも関わらず、地域の皆さん、熱心なファン・サポーターが集まりました。日テレ・東京ヴェルディベレーザの主力・5人の選手は、北区民の激励を受け2023−24 WEリーグを優勝したいと決意表明しました。
そして、第19回アジア競技大会(2022/杭州)で日本女子代表として優勝の栄誉に輝いた山本柚月選手、土方麻椰選手はアジアの列強と戦い得られた自信と責任を語りました。一回り大きな存在となり頼もしさを感じます。
クラブハウスとトレーニング施設がよみうりランドにある日テレ・東京ヴェルディベレーザにとって、23区内のホームタウンとの関係強化は急務です。数々のなでしこジャパン(日本女子代表)を輩出してきた名門チームですが、昨シーズンのリーグ戦の入場者数は11チームの中で5番目。東京都北区にあるホームスタジアムの味の素フィールド西が丘は国立のサッカー場ということもあり、なでしこリーグ時代から、地元ファンよりも各地のサッカーマニアが来場する印象の強いスタジアムでした。 WEリーグ開幕後、日テレ・東京ヴェルディベレーザは ホームタウン自治体の協力で「北区・板橋区小学生特別招待企画」を実施する等、地域の新規顧客開拓に努め、徐々にファミリー層の来場比率を増やしてきました。
主将の村松智子選手はWEリーグ激励会に来場した北区民を意識し「タイトル獲得にこだわりたい」と話しました。
「昨年、私たちは、大阪で皇后杯を優勝しました。そのときと同じ歓喜を西が丘で味わえるように頑張りたいと思います。」
応援を通して区民と日テレ・東京ヴェルディベレーザがつながる取り組みを増やしていきたい北区
この日、特にアツく、全身を使って日テレ・東京ヴェルディベレーザへのエールを語ったのは東京都北区 やまだ加奈子区長。2023年4月の区長選挙で初当選して生まれた北区初の女性区長です。就任直後の通信社の取材で「10年後、北区は憧れの街になる。」と宣言し、魅力あふれる地域づくりを進めています。心強い存在です。
東京都北区地域振興部 スポーツ推進課 課長の菊池亜紀子さんは「北区にとって日テレ・東京ヴェルディベレーザを応援する意味は大きい」と話します。
「日テレ・東京ヴェルディベレーザと東京都北区は両者それぞれが協力し、積極的な連携を図ることでスポーツを通じた豊かなスポーツ文化の振興に寄与することを目的に、包括連携協定を締結しています。そして、2022年8月4日に、北区が日テレ・東京ヴェルディベレーザを北区スポーツ大使に委嘱しました。そのようなこともあり、応援を通して区民と日テレ・東京ヴェルディベレーザがつながる取り組みを増やしていきたいです。女子サッカーをはじめ、トップアスリートの活躍を見ていただく機会を創出していきます。そして、より多くの区民にスポーツをプレーしていただき、健康寿命の延伸にもつなげていきたいと思っています。」
「日テレ・東京ヴェルディベレーザの皆さんは区内の商店街等でクリーン活動をされ、北区民と盛んに交流していただいています。WEリーグが始まり、少しずつ選手の皆さんとの距離が近づいています。地域とのつながりはサッカーの特徴の一つです。Jリーグを見ても、ホームタウンの皆さんの応援がすごい。それに対して選手が感謝の気持ちを伝え、お互いの距離が近い感じがします。そのような環境を北区でも育てていきたいと思っています。北区主催のWEリーグ激励会は初めての取り組みです。」
今回の WEリーグ激励会は東京都北区の主催。午前中に行われたトレーニングの一般公開も東京都北区の主催で実現しました。
「北区にはナショナルトレーニングセンターがあります。今回のトレーニング会場になった赤羽スポーツの森公園競技場も隣接しており、スポーツが盛んな地域になっています。こうした施設が北区に集まっていることには、とても大きな意味があり、北区は「トップアスリートのまち・北区」を掲げています。また、施設だけではなく『ROUTE2020トレセン通り』の中心付近に位置する稲付西山公園にはアスリート手形モニュメントも設置しています。」
商店街訪問で北区民の期待の大きさを知る
WEリーグ激励会を終えた選手は赤羽に移動。商店街を訪ねました。店舗のオーナー、従業員、利用者等に、名刺サイズのプレイヤーズカードを手渡しご挨拶。プレイヤーズカードは今シーズンの開幕に合わせ作られたもの。WEリーグ発足以降に日テレ・東京ヴェルディベレーザの選手が使用するのは初めてです。
藤野あおば選手は、これまで赤羽を訪問する機会があまりありませんでした。商店街を訪問し東京都北区のことを少し知ることができました。
「商店街を回って、ベレーザを知ってくれている人が多いと実感しました。だからこそ、もっと頑張らなければいけないと思いました。出すべきことは結果です。」
午前中にはトレーニングを一般公開
WEリーグ激励会の開催に先立ち、赤羽スポーツの森公園競技場ではトレーニングが一般公開されました。怪我で女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024アジア2次予選のなでしこジャパン(日本女子代表)参加を辞退した藤野選手もトレーニングに参加しファン・サポーターを安心させています。
ゲーム形式の練習で山本柚月選手が強いシュートを放つとスタンドから大きな歓声と拍手が起きました。山本選手は「練習を見られると、ちょっと恥ずかしさもある」としながらも「始まったら普通通りにやりました」と話します。2023−24 WEリーグカップは決勝進出をすることができませんでしたが、気持ちを切り替えてトレーニングに励んでいます。
「気持ちを落とすことなくリーグ戦開幕に向けて、よりコミュニケーションや強度を前に出して練習しています。その気持ちや雰囲気をそのままリーグ開幕戦にぶつけたいです。」
トレーニングでの強度は高く、選手がぶつかり合って倒れることもあります。
「ゲーム形式の練習が多く、練習にも勝敗が出てきます。勝負へのこだわりは多分チーム全員が持っているので、自然と強度が高くなっています。」
松田岳夫監督からは「相手を引き出す!」と声がかかり、ただなんとなくパスをつなぐプレーは許されない雰囲気です。「自分のポジションにじっとしている人が多い!」という声もあり、スペースに走り味方を助ける動きが求められています。2023−24 WEリーグカップでは、選手がポジションを入れ替える流動的なサッカーに取り組みました。「誰がどこを使っても良く全員が動いてボールに関わりゴールを目指すサッカー」のようですが、まだ、イメージ共有が完成していない印象でした。山本選手はどのように捉えているでしょうか。
「どこのポジションにいても、ボールに関われるように意識しています。それは大変というより、自分なりに楽しんでできています。フォワードのポジションは、誰が監督でも得点と点に絡むプレーを求められます。そこは自分の中でもっとやらなければいけないと思い、意識しています。」
どの選手もポジションを動かしながらパスを呼び込む動きが求められますが、特にスペースを察知する能力に優れる木下桃香選手と菅野奏音選手が、新しい日テレ・東京ヴェルディベレーザのサッカーの解像度を高める牽引役になりそうです。
土方麻椰選手は味方が動いて生まれたスペースに飛び出すことを強く意識しています。この日はトレーニングの一般公開で気持ちが昂り、いつもより楽しく練習できたと言います。2022年12月に日テレ・東京ヴェルディメニーナから日テレ・東京ヴェルディベレーザに昇格。それから、まだ一年を経ていない選手ですが驚きの単語を自ら使用して、今の気持ちを語りました。
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