WE Love 女子サッカーマガジン

WEリーグ本社を渋谷に移転 WEリーグカップ国立開催 スタートアップの第二段階へ 4月と5月の #女子サカマガ(無料記事)

WEリーグはJFAハウスの移転に伴う本社移転を発表しました。新たな拠点となるのは渋谷区です。ジェンダーや世代、国を超えた様々な人が集う文化の街・渋谷で WEリーグと日本の女子サッカーをより身近な存在にしていきます。

新しい拠点はシェアオフィスとなります。具体的な場所の発表はありませんでしたが、例えば、渋谷区内にはWeWork(ウィーワーク)があります。ディー・エヌ・エー、クックパッド、YKK AP、ヤマハ発動機、KADOKAWAといった著名企業がWeWork(ウィーワーク)にオフィスを構えています。そして、多くのスタートアップ企業が活動しています。彼らがシェアオフィスを選んだ理由は働き方やコスト効率だけではありません。さまざまな企業や人と場所や時間を共有することでアイデアとアクションが産まれる場になるからです。

Jリーグが「シャレン! Jリーグ社会連携」で地域住民、自治体、地元企業や団体等と連携し仲間を拡大していったようにWEリーグも前に踏み出します。髙田春奈チェアは、このようにコメントしました。

今、検討しているシェアオフィスは外部団体皆さん連携できる形になっています。女子サッカー盛り上げるため知恵いただいたりサッカー以外から受けて、いろいろな企画をしていくことWEリーグ成長につながっていくと考えおります。」

実は、WE Love 女子サッカーマガジンは、2021年7月26日の記事で、WEリーグ事務局を渋谷に移すことを提言していました。当時、マンチェスター・シティFC率いるシティ・フットボール・グループ日本法人でパートナーシップ部門セールスマネージャーを務めていた西脇智洋さんが、このように話していたのです。

「WEリーグのブランディングとして、果たしてJFAハウスに事務局が入っていることが適切なのかどうかとかも考えられなくはないです。もっと社会に開かれている若いZ世代(1990年後半頃から2012年頃に生まれたデジタルネイティブ世代)に向けていくという考えもあります……例えば、事務局がWeWork(世界118都市に拠点を持つ起業家向けのコワーキングスペース)に入って色々な企業と連携できる姿勢を打ち出すという方法もあります。ここで重要なのは、WEリーグのポジショニングの独自性です。」

WEリーグはJFAハウスから離れることを好機として、外部との接点を増やし、新しい可能性を広げることでしょう。

一般社団法人渋谷未来デザインとパブリックパートナー契約を締結

一般社団法人渋谷未来デザインとのパブリックパートナー契約締結も発表されました。一般社団法人渋谷未来デザインは「ちがいを ちからに 変える街。」渋谷区が2016年に策定した基本構想に沿って生まれた産官学民連携組織です。NTT ドコモ、ソニー、バンダイナムコエンターテインメント等、日本の社会にイノベーションを起こすさまざまな企業がパートナーとして参画しています。パブリックパートナーには一般社団法人渋谷フォント、ブラジル大使館、一般財団法人渋谷区観光協会、公共社団法人渋谷区勤労者福祉公社等が参画しています。

一般社団法人渋谷未来デザインはダイバーシティとインクルージョンを基本に、渋谷に住む人、働く人、学ぶ人、 訪れる人など、渋谷に集う多様な人々のアイデアや才能を、領域を越えて収集し、オープンイノベーションにより社会的課題の解決策と可能性をデザインしています。“次世代“のスポーツコミュニティ共創プロジェクトも展開してきました。“次世代”の人材が、スポーツを通して「出会い」「学び」「輝く」場所を創造し、誇りをもてる街をデザインするプロジェクトです。

こうした、若い世代を中心とした共創プロジェクトにWEリーグが参加するチャンスが広がります。それが、WEリーグの目指す姿と渋谷の親和性なのです。WEリーグが理念を掲げパートナーを待つのではなく、WEリーグ自らが、パートナーとなれる可能性ある親和性を持つ企業・団体・個人の活動するエリアに出向いていくところが、これまでとの大きな違いです。

スタートアップに近いWEリーグ×スタートアップ企業が集まる地である渋谷の企業・団体・個人のコラボの可能性は無限に拡大します。6月12日(月)に開催される2022−23WEリーグアウォーズも会場は渋谷区内となります。今後は、ビジネスシーンのみならず、ファン・サポーターとWEリーグの接点を広げる場づくりに広がる可能性もあります。

2023−24WEリーグカップ決勝戦は国立開催

11月5日(日)に開催される2023−24WEリーグカップ決勝戦の会場は国立競技場となりました。前日にはJリーグYBCルヴァンカップの決勝戦も国立競技場で開催されます。2日連続開催することでコストダウンの可能性が生まれます。そして、Jリーグの協力を得ることで告知の相乗効果が生まれます。アクセスが良く、新しいスタジアムを使用し、これまで女子サッカーと接点の少なかった層に、初めての女子サッカーを体験していただくのが主な狙いです。2023年のWEリーグは、外部の協力も得ながら、これまでの女子サッカーの世界から外に踏み出そうとしています。

国立競技場

さて、今月の #女子サカマガ では、どのような話題を取り上げたのでしょう。振り返ってみます。

今月の #女子サカマガ を振り返る

ビジャレアルC Fフットボール・マネージメント部 佐伯夕利子さんが語るスペイン女子サッカー躍進の本当の理由 後篇 建前とはちょっと違うスペイン女子サッカー界の本音

プロ化の実態とスペイン女子サッカー発展の理由について、U E F A Pro/スペインサッカー協会公認ナショナル監督ライセンスをお持ちでスペイン1部リーグ ビジャレアルC Fフットボール・マネージメント部に勤務される佐伯夕利子さんにお話をお聞きしました。WEリーグでもスペイン女子サッカーに関する勉強会が開催されましたが、こちらはクラブ側の視点による本音のレポートです。佐伯夕利子さんが、その最前線に立っているというのが、すごいことです。

アメリカから見た大学女子サッカー 強さと人気がつながる構造 岩井蘭選手(フロリダ州立大)

アメリカの大学女子サッカーには強さと人気があります。その理由はどこにあるのか4つの視点でご紹介しました。アメリカの大学女子サッカーがプロに近い環境で行われていることは、あまり知られていません。全米ナンバーワンの大学女子サッカーチームを決めるNCAAディビジョン1 チャンピオンシップの優勝経験者・岩井蘭選手による当事者ならではのお話です。

藤枝順心高校 全国高校選手権大会初優勝時の主将 杉山祐香さんが藤枝市に戻り生き生きと働く理由

杉山祐香さんに藤枝市のことをお聞きしました。ドイツでのプレー経験を持つ杉山さんが取り組む「サッカーを生かしたまちづくり」の中には市内に転入した女子サッカー選手の家賃を補助する施策も含まれています。藤枝市は女子サッカーで女性が輝く街になっていました。藤枝市のローカルな話題ながら、たいへん大きな反響を起こした記事です。

なでしこリーグ入りを目指すのか? 書類審査、入替戦の向こう側には夢がある 3チーム座談会 VONDS市原FCレディース リリーウルフ.F石川 ディオッサ出雲FC

なでしこリーグ昇格を目指す3チームの座談会を開催しました。記事には掲載できないふかくて実践的なお話も多かったのです。記事に掲載しただけでも、この実りある情報。なぜ、なでしこリーグを目指すのか、どうすればなでしこリーグに昇格できるのかを話し合いました。

次月の #女子サカマガ をご紹介

このような記事を予定しています。一部をご紹介します。みなさん、次月も #女子サカマガ をよろしくお願いします。

・ウズベキスタン女子代表監督 本田美登里さんに聞く躍進の原動力
・日本の女子サッカー文化はアジア各国の少女にどのように届いたか? Xーgirlの取り組み
U E F A女子チャンピオンズリーグ出場 吉田早紀選手のクロアチア生活
・Jリーグとのダブルヘッダーは上手くいくのか

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ