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最優秀選手賞・大竹麻友選手が復帰ゴール スフィーダ世田谷FCが90分に追いつき勝ち点1 次節はニッパツ横浜FCシーガルズと大一番へ(無料記事)

気温28度。夏のような暑さとなったA G Fフィールドで行われた2023プレナスなでしこリーグ1部、スフィーダ世田谷FC×日体大SMG横浜は、昨シーズンの覇者・スフィーダ世田谷FCが大苦戦しました。4分に日体大SMG横浜・北沢未明選手の見事なボレーシュートで先制されると、焦りからか、スフィーダ世田谷FCは王者らしさを感じにくい大味で消極的なパスを多用するサッカーに陥りました。ハーフタイムに田口茉亜紗選手を投入し中盤の中央に厚みを持たせようと試みますが、その田口選手が57分に激しい接触で交代。なかなかペースを握ることができません。

鋭い切れ味を見せつけた森田美紗希選手(中央)

日体大SMG横浜は、中盤の厳しい守備を駆使する休み知らずのサッカーでスフィーダ世田谷FCを追い詰めていきます。特に、年代別代表選手の経験が豊富な森田美紗希選手によるディフェンスラインの裏への抜け出しと鋭いフェイントの切り返しが脅威となりました。

積極的にチャレンジした中山さつき選手

しかし、スフィーダ世田谷FCはエースの投入で窮地を脱します。リーグ開幕直前の2月28日に左足関節の靱帯を損傷し、今シーズンは一度もピッチに立っていなかった大竹麻友選手が72分に初登場し、素早いパスによる崩しを取り戻したのです。90分に右サイドで得たフリーキックをゴールキーパーより頭で早く触り、大竹選手が同点ゴールを決めた時間は90分でした。昨シーズンの最優秀選手賞受賞選手による劇的な得点で辛くも引き分け、貴重な勝ち点1を手にしました。

開幕からここまでチームを支えてきた樫本芹菜選手(左)と復帰した大竹麻友選手(右)

スフィーダ世田谷FCは、これで2勝2分1敗となり勝ち点8で首位と勝ち点差5の6位。次節は月23日(日)に無敗のニッパツ横浜FCシーガルズと対戦します(得失点差で2位)。ニッパツ横浜FCシーガルズはスフィーダ世田谷FCと似た、中盤の厳しい守備が持ち味で縦に速い攻撃力を持っています。指揮するのは、2021年シーズンまでスフィーダ世田谷FCでコーチを務めていた石田美穂子監督です。神川明彦監督のやり方を熟知し準備万端で王者を待ち受けることでしょう。次節は敵地に乗り込むことになる神川監督は「前半の戦いぶりを深く反省し、次節につなげていく」と、この試合を振り返りました。

石田美穂子監督のニッパツ横浜FCシーガルズに勝ち点差5で挑むことになる神川明彦監督

リーグ前半の大一番を前に、この日の試合はスフィーダ世田谷FCの選手たちの口に苦い一戦となりましたが、おそらく、この1週間で切り替えて奮起することでしょう。同じことは繰り返さないはず。「攻撃的な守備」で真っ向勝負する好ゲームが期待されます。キックオフは13時。試合会場はニッパツ三ツ沢球技場です。

(2023年4月16日 石井和裕)

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