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WEリーグ再開 新戦力と代表選手の経験を加えた日テレ・東京ヴェルディベレーザの反攻宣言

2023年3月5日(日)から2022−23 YogiboWEリーグが再開します。首位を走るINAC神戸レオネッサ。追う三菱重工浦和レッズレディース、マイナビ仙台レディース。そして、日テレ・東京ヴェルディベレーザは首位から勝ち点差6でリスタートします。

状況はウィンターブレイク前と一変しています。4位ながら日テレ・東京ヴェルディベレーザは最も伸び代を感じるチームとなりました。竹本一彦監督は2022年12月18日に行われた皇后杯 JFA 第44回全日本女子サッカー選手権大会の4回戦で「やっと今年のウチの戦力が揃った前半になりました。この試合が新しいチームのスタートとなりました。」と話しました。2022−23 YogiboWEリーグ開幕から約2ヶ月後にフルメンバーがベンチ入りできるようになり目指してきたサッカーを体現できるようになった日テレ・東京ヴェルディベレーザは攻撃に鋭さを加え快進撃を開始。圧倒的な強さで皇后杯 JFA 第44回全日本女子サッカー選手権大会を優勝しました。決勝戦では4−0でINAC神戸レオネッサに勝利。今「日本で最も怖い女子サッカーチーム」と言って過言はないでしょう。上り調子です。

ウィンターブレイク明けからFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023カップ公式試合球『オーシャンズ(O C E A U N Z)』が使用される。

直接対決が残り、まだまだ先はわからないWEリーグ

2023年2月28日にクラブハウスとヴェルディグラウンドを訪ね、竹本監督に再開後の戦い方についてお話をお聞きしました。

「まず前線からの守備と切り替えの速さを徹底する要求を選手にしていきます。攻撃では皇后杯で良い形ができてきたのですが、ベレーザというと足元の技術、グラウンダーの攻撃でワンツーやスルーパスでペナルティエリアの中に入って点を取るというイメージがあります。それに加えてサイドからの攻撃・クロスボールとペナルティエリアに入るための浮き玉のキックと受けの多様性を身につけて攻撃面のクオリティを高くします。

皇后杯で確実に成長したのは9番(植木理子選手)、10番(小林里歌子選手)、11番(藤野あおば選手)の3人。それから、北村菜々美と宮川麻都のクロスの質、中盤の木下桃香が成長しました。フィニッシュで得点を確実にできるように意識を持たせていきたいです。コーナーキックやフリーキックの数が多いですから、セットプレーからの得点も鍵になると思うので、普段の練習から改善しクオリティを高くして臨んでいきたいです。」

竹本一彦監督

首位のINAC神戸レオネッサとは勝ち点6差があります。総試合数の少ないWEリーグで勝ち点差6は大差のように見えますが、実は、勝負はついていません。ウィンターブレイクがあったため誤解されやすいですが、まだリーグ戦の前半を終えていないのです。

「(直接対決が)2試合残っているので、まだまだ先はわからないと思います。他のクラブもレベルアップしているのでINAC、浦和、ウチが簡単に勝てるかというと、そうはならないと思います。一戦一戦で力を尽くして勝っていき諦めない。残りの2節で優勝争いが盛り上がり、最後に自分たちが勝てるように成長していきたいと思っています。」

三浦成美選手の海外移籍で変わるチーム、5人の補強

ただし、不安材料もあります。中盤の底でボール奪取とパスのつなぎに力を発揮してきた三浦成美選手が、皇后杯優勝を置き土産にノースカロライナ・カレッジ(N W S L)へ移籍したのです。この取材を行った日は、ちょうど三浦選手の旅立ちの日でした。

ここからの戦いは怪我や体調不良のような色々なことが起きると思います。しかし、チームで補い、各人がどれだけ成長できるかが大事だとスタッフと話しています。」

トレーニングが始まるまでは笑顔が絶えない日テレ・東京ヴェルディベレーザ。

日テレ・東京ヴェルディベレーザはウィンターブレイクに5人の選手を補強しました。船木和夏選手は日テレ・メニーナから早稲田大学を経て戻ってきた選手。ディフェンスならばどのポジションでもできますが、主戦場はサイドバックです。柏村菜那選手は運動量豊富な攻撃的サイドバック。海外移籍した清水梨沙選手の跡を継ぐことを期待されています。土方麻椰選手は、すでに2022−23 YogiboWEリーグで2試合出場している万能型アタッカー。日テレ・東京ヴェルディメニーナからの昇格です。クロスボールに合わせるヘディングシュートも得意。第3節のノジマステラ神奈川相模原線では右からのクロスを頭で押し込んで得点しています。氏原里穂菜選手は日テレ・メニーナ・セリアスから十文字高校を経て戻ってきました。内気な性格を感じさせない俊敏な動き出しが特徴で得点感覚に優れています。

ウィンターブレイクに5人の選手を補強。 ※船木和夏選手は欠席

補強選手の中で特に注目を集めるのは木﨑あおい選手です。サンフレッチェ広島レジーナでは2022−23 YogiboWEリーグの全試合に出場。押しも押されもせぬレギュラーポジションの選手であることに加えて、地元テレビ局や動画コンテンツに引っ張り凧だった人気選手です。試合終盤まで落ちない運動量でサイド攻撃と強気なボール奪取を繰り返してきました。なでしこジャパン(日本女子代表)に選出されたことはありませんがアンダー年代での国際試合経験があり、浦和レッズレディース(当時)の下部組織で長野風花選手(現・リバプール)とボランチのコンビを組んだこともあります。まだまだ移籍が少ないWEリーグでは初めての「シーズン途中での主力選手の国内移籍」といえるでしょう。

新しい選手が加わることでチームの味が変わる

竹本監督は、木﨑選手獲得の経緯を「三浦選手の移籍により即戦力の補強が必要となった」と説明したものの、単純に空いた穴を埋める補強ではないということを強調しました。チームはさらなる変化をするだろうというのです。

「三浦がいなくなって、代わりに誰か一人を置くということではないです。前からボールを奪いに行く姿勢のサッカーやる上で、中盤や前線の構成をどうしていくのか、ちょっと変化があるかもしれません。新しい選手が加わることでチームの味が変わると思います。そこは否定せず、もっとチームが進化できると良いと思って戦っていきたいと思います。」

皇后杯 JFA全日本女子サッカー選手権大会以降の日テレ・東京ヴェルディベレーザの布陣は左右非対称になっています。ボール保持時に。右はサイドバックの宮川麻都選手が高い位置でタッチラインギリギリに幅を取ることが多いです。左はミッドフィルダーの北村菜々美選手が似た役割を担い、サイドバックの宇津木瑠美選手は最後尾近くで配給元に徹することが多いです。そして、一発のロングパスによる局面打開がアクセントとなっていました。もし、左サイドバックに、ワイドな高い位置からのゲームメイクで特徴を発揮する木﨑選手が起用されれば、北村選手との距離が変わりますし、もし、中盤の底に木﨑選手が起用されれば、コンビを組む木下桃香選手の役割にも影響が現れます。さらに、竹本監督は右サイドでの起用の可能性も示唆しました。

木﨑あおい選手

三浦選手とコンビを組んできた木下選手は、その変化についてこのように話しました。

「まだ試合をやっていないので、どうなるのか不安な面もありますが自分がやることは変わりません。成美さんがいなくなって、誰と組むかシステムがどう変わるかわかりませんが、よりゲームメイクを自分がやっていかなければと思います。

奪ってすぐに縦につけるパスが魅力の木下桃香選手。

良好なコミュニケーションが武器になる

竹本監督は、技術に加えて一体感の大切さも力説しています。

「皇后杯4試合で大事にしたことがあります。アタッキングサードに入ったときのクオリティは技術スキルだけではなく気持ち……2人、3人が同じ気持ちを持って共通の絵を描くことが大事だと思います。それをどのように作るかというと、ピッチ上の練習に加えてチームのコミュニケーション能力が大事です。誰が何を考えているのか、私は何をしたいかを言い合える、話し合える、相談し合える、修正し合える雰囲気が大事だと思います。皇后杯ではそれができていたから勝てたと思います。心の距離が近くなる一体感をリーグ戦でつけていきたいと思っています。」

その考えは選手に共有されています。小林里歌子選手はなでしこジャパン(日本女子代表)のアメリカ遠征から帰国し、この日、練習に合流しました。自ら、チームメイトとのコミュニケーションについてコメントしました。

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