WE Love 女子サッカーマガジン

雑誌『S P U R』が女子サッカーの魅力に迫る 2月と3月の #女子サカマガ(無料記事)

2023年2月22日発売の雑誌『S P U R』4月号が7ページの女子サッカー特集を掲載しました。この特集では、多様な視点からこの競技の魅力と奥深さを伝えています。読んでみると「ファッション誌が女子サッカーを取り上げるとこうなるのか!」という新鮮な驚きがありました。結局、スポーツを楽しむのに、その技術や競技レベルは入り口ではない。初めは違うところに興味や共感の接点が見つかり、見る人それぞれが自分に合った楽しさを発掘していくのだと思います。だから競技性が優れているか劣っているかの議論にはあまり意味がない。あえて言えば、あらゆる武術の中で何が最も優れているのかを競っても意味がないことと似ています。優れた執筆者や編集者が、長時間の取材の中から何をセレクトして記事に散りばめたのかを想像しながら読んでいくと、とても面白いです。雑誌(https://amzn.asia/d/aEhfEY9)でもネットマガジン(https://spur.hpplus.jp/sdgs/watashitsuzukeru/t/b01_230222/2023-02-14-4QlY2Q/)でも読むことができます。

昨シーズンは経済誌や経済番組がな何度もWEリーグを取り上げました。今回は待望のファッション誌による記事です。ファッション誌はオシャレのことだけを掲載しているとイメージされる方もいるかもしれませんが、その多くはカルチャー誌でありライフスタイル誌となっており、ファッションを取り巻く社会的な諸問題にも目を向けています。例えば、雑誌『ELLE』では「エンジェル・シティーFC 立ち上げ」「ナタリー・ポートマンとジェシカ・チャステイン、女子サッカー選手の平等賃金を訴える」「キム・カーダシアン、アフガニスタンの女子サッカー選手を支援 ユースチームの亡命を手伝う」「シャーロット王女、イングランド女子チームを応援」といった記事を掲載してきました。

今回の雑誌『S P U R』の女子サッカー特集のテーマは「スポーツから社会を『読む』。女子サッカーを観なくては!」。ファッション誌の視界に日本の女子サッカーが入ったことが、とても嬉しいですね。

さて、今月の #女子サカマガ では、どのような話題を取り上げたのでしょう。振り返ってみます。

今月の #女子サカマガ を振り返る

FIFA女子ワールドカップ・イヤーのアディダス 女子サッカー選手の未来を楽しく明るく 長野風花選手がカタールをアル・リフラ(旅)した意味

アディダスが長野風花選手をカタールに招待しました。アディダスはFIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023カップに向けて、どのようなアクションを起こそうとしているのか、気になる疑問をインタビュー取材でぶつけてみました。「女子サッカーの楽しい未来、明るい未来を若い年代のプレーヤーに伝えたい」気持ちがひしひしと伝わってくるお話でした。FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023に向けて、アディダスから新たなアイテムが登場するかもしれません。

関西の女子サッカーを盛り上げるために必要なこと 空席が目立つ皇后杯決勝戦のスタンドから感じる地域格差【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】

「空席が目立つ皇后杯決勝戦について取材して欲しい」という #女子サカマガ 編集会議でのリクエストにお応えし関係者に取材しました。直近6回のうち5回の決勝戦が関西で開催されています。何名かにお話をお聞きすると、女子サッカーの地域格差を感じました。「なぜ空席が?」から始まって「発展途上の日本の女子サッカーを育てていくためにどうすれば良いのか?」に思いが移っていく取材となりました。

髙田チェアの言うように、私たちは「自分たちの力を信じること」、そして、スタジアムに足を運び「女子サッカーって魅力的だよね」と伝え続けていく必要があると思います。でも、一方で「女子サッカーは優れているから選択されて当たり前」「世界で支持されているから日本でも支持されて当然」「なぜ女子サッカーが批判されるのかわからない」といった考えまで持ってしまうと、女子サッカーに変化は生じないとも感じます。例えば、他のスポーツやエンターテイメントを愛する人やJリーグを好む人と対立したり競い合って得することはほとんどありません。むしろ失うことの方が多いでしょう。

この記事で書いたことは、コロナ禍を経て突入した難しい時代だからこそ、潜在していた課題が表面に現れたのだろうと思います。それは、誰かを批判して自然に解決することではないし、誰かが救世主として現れるわけでもない。そう強く感じました。

FIFA女子ワールドカップでなでしこジャパン(日本女子代表)が対戦 東京2020で2試合連続ハットトリックを達成したバルブラ・バンダ選手を擁するザンビアを当事者が語る

今年は女子のワールドカップ・イヤーです。FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023カップが開催されます。なでしこジャパン(日本女子代表)は2023年7月22日(土)にニュージーランドのワイカトスタジアム(ハミルトン)で初戦を戦います。対戦相手はザンビア女子代表です。調べてみると、意外と身近に、日本とザンビアの女子サッカーを結ぶ人がいることがわかりました。おそらく、ここまでザンビアの女子サッカーの現地情報に触れた記事は、まだ、日本に存在していないと思います。ぜひ、ご覧ください。

ブラジル戦の生放送・生配信がないなでしこジャパン 2023シービリーブスカップ 欧米と差が開く不安

女子サッカー・ファンの間で話題となった、2023シービリーブスカップのテレビ生中継、ネット生配信がなかったことについて、事前に把握していたことを元に記事化しました。さらに詳しいお話は朝日新聞が現地から記事にしてくださっています。なお、ブラジル女子代表戦、アメリカ女子代表戦は2023年2月22日に日本サッカー協会のYouTubeチャンネルで公開されました。

多くの女子サッカーファンがネットに書いたように、無理をしてでも日本サッカー協会が自ら生配信するという方法もあります。ただ、これまでには「誰もいないならウチが頑張りますよ」というプレス現場の心意気や将来の目玉コンテンツにするための投資の意味で行われてきた中継や記事掲載もあります。あまり短略的な結論を出すと、逆に中継や記事掲載に手を伸ばすプレスが減少し女子サッカー全体のコミュニケーションのシュリンクにつながる気がしないでもありません。

今、世の中に意欲的な取り組みを感じる女子サッカーの記事や動画(テレビ番組を含む)は多くありません。理由として「大体のことは各クラブの公式サイトや公式動画がやってくれるので、あえて手を出す必要がない」という面もあります。サッカー協会やクラブが、全てオウンドメディア(公式サイト、公式動画)からの発信でコミュニケーションのほとんどを賄えるというのであれば、それでも良いのですが、現実は、そこまで単純ではありません。

オウンドメディア(公式サイト)はマスメディアと比較すると、自ら見に来てくれるコアなファンを対象にした媒体になりがちだからです。そして、決まった発信パターンをなぞりがちです。例えば、今月の雑誌『S P U R』のような、たまたま読者の目に入ることで女子サッカーへの興味を喚起し、新たなファン候補との接点を創出するのは大変なことです。オウンドメディアで公開しただけで自然に多くの方に見ていただけるわけではありません。近年、SNS の表示アルゴリズムが変更され、特定のフォロワー以外による発信がSNSを通して目に入る機会が幾分は増えましたが、オウンドメディアが新たなファン候補との接点を創出するためには広告出稿等のプロモーションコストが必要となることが多いです。女子サッカー全体の価値をどのように考えるのか、何を誰にどのように伝えるのか、私たちプレスも含めた、関係者による模索は続きます。

プレーヤーのためには、ぜひ視聴環境を整えてあげたいです。

平尾知佳選手(新潟L) ワールドカップ・イヤーの今、目の前の辛いことを乗り越えれば自分を変えられる

なでしこジャパン(日本女子代表)への道を開いた期限付き移籍 田中桃子選手(東京NB)が語る大和シルフィードでの経験

なでしこジャパン(日本女子代表)で世界に挑む2人のゴールキーパーの取材記事を掲載しました。年末のカタール大会でゴールキーパーへの注目が集まりました。女子サッカーのゴールキーパーを指導者がどのように大切に育ててきたのかが伝わるお話でした。

次月の #女子サカマガ をご紹介

このような記事を予定しています。一部をご紹介します。みなさん、次月も #女子サカマガ をよろしくお願いします。

  • WEリーグ再開直前の選手インタビュー 中島依美選手(マイ仙台)、藤原加奈選手(N相模原)
  • ちふれASエルフェン埼玉のホームゲーム観戦の前に行田の街を #女子サカ旅
  • セカンドキャリア支援に取り組む新しい挑戦
  • 岡山湯郷Belleのリスタート

(2023年2月23日 石井和裕)

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