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女子サッカー選手のファンクラブ モバイルでのコミュニケーションが距離を縮め選手とファンの思いがつながる

各チーム、クラブにはファンクラブやサポータークラブ、それに年間チケット会員のような組織があります。それとは別に、選手個人のファンクラブも存在します。

これまでのファンクラブは、一般的に一部の有名芸能人や著名人のみがファンと密接な関係を築くために運営するイメージが強いサービスでした。しかし、近年は、有名芸能人や著名人に限らず、プラットフォームサービスを利用して誰でもファンクラブを開設し、ファンや支援者とのコミュニティを築いたり、金銭等の継続的な活動支援を受けたりすることがコロナ禍以降に増加しています。

今回は、女子サッカー選手のファンクラブについて「コンテンツの特徴」「モバイルプラットフォーム」「選手の立場から見た開設メリット」をレポートします。取り上げるのは川澄奈穂美選手(N J /N YゴッサムFC)、猶本光選手(浦和)、吉田凪沙選手(ニッパツ)のファンクラブです。

川澄奈穂美選手 提供:株式会社インフィニティ

女子サッカーが生活の一部になることを目的とした川澄奈穂美選手のファンクラブ

米国女子プロサッカーリーグNWSLNational Women’s Soccer League)のN J /N YゴッサムFCの川澄奈穂美選手はNWSLでの出場100試合を達成した直後の2021年9月にオフィシャルファンクラブ『FC NACHO (エフシー ナチョ)』を発足しました。『FC NACHO』は、川澄選手と共にサッカー界を盛り上げること……つまりは、女子サッカーが生活の一部になることを目的としたクラブと位置付けられています。

会員限定サイトでは、川澄選手自身が撮影した動画や試合レポートをはじめ、ファンの皆さんと直接交流できる質問コーナーやイベント企画等、ここでしか見られないコンテンツが満載。今後、会員限定のオフィシャルグッズ販売や、イベントご招待などもする予定です。

機密情報用クリアファイル 提供:株式会社インフィニティ

特にオリジナルグッズのラインナップは魅力十分。デザインやネーミングは、全て川澄選手が手掛けました。オリジナルグッズ発売開始の際に川澄選手は、このようなメッセージを発信しています。

「日頃より、FC NACHOのグッズをみんなでお揃いで使えたらどんなにワクワクするのだろうと妄想していました。それがついに叶いそうで嬉しいです。是非、FC NACHOグッズを手に入れて、自慢しながら街を練り歩いてください!」

これらのオフィシャルグッズを取り入れることで女子サッカーが生活の一部になることを川澄選手は願っています。

カッチョいい刺繍のTシャツ 提供:株式会社インフィニティ

充実したコンテンツを発信していますが、特にファンに喜ばれているのは、川澄選手からメールが届くnachio mail、プレーシーンを動画と解説で振り返るPlay Backだそうです。やはり、選手と直接的なコミュニケーションを図れるところが、加入するファンにとって最大のメリットとなりそうです。

ナウイ人の水筒 提供:株式会社インフィニティ

より身近に感じてもらえる猶本光選手のファンクラブ 

女子サッカーに限らず、近年のファンクラブ活動の多くはモバイルでのコミュニケーションと課金、そしてグッズ等のアイテム販売によって成立しています。どのような仕組み(プラットフォーム)が取り入れられているのでしょうか。今回は、その一例として猶本光選手(浦和)のオフィシャルサイト兼ファンクラブ「ひかるラボ」に採用されているオールインワン型ファンプラットフォーム「Bitfan」をご紹介します。有料会員に登録されたファンに限定配信の写真や動画、ブログなど、普段なかなか見ることができない猶本光選手のオフショットコンテンツをお届けしています。

「最近は、みなさんと交流できる機会が少なくなってしまったので、コミュニケーションをとったり、猶本光をより身近に感じてもらえるようなことが何かできないかなと考えていました。ここでは、ライブ配信をしたり、普段考えていることをブログにしてみたり、動画をアップしたりしていきます!」

猶本光オフィシャルサイト「ひかるラボ」を開設するにあたり、猶本選手は、このようなメッセージを掲載しました。

提供:株式会社SKIYAKI

プログラムの専門知識がなくてもファンクラブサイトを立ち上げることができるプラットフォーム「Bitfan」

様々な分野のアーティストをはじめ「Bitfan」を使用した公式ファンクラブサイトが多数立ち上がっています。なぜなら、「Bitfan」はプログラムの専門知識がなくても、テンプレートとして用意したデザインを選択して簡単にファンクラブサイトを立ち上げることができ、月額会員コミュニティ、ブログ投稿、E C ストア、チッピング(投げ銭)、チケット販売、ライブ配信、ラジオ配信など、多くの機能を使うことができるプラットフォームだからです。「Bitfan」は2020年11月に、革新的で優れたサービスを表彰する「第回 日本サービス大賞 総務大臣賞」を受賞しました。

また「Bitfan」はN F T(非代替性トークン)サービスの提供も開始しました。今田美桜オフィシャルファンクラブ「イマノミオ」で有料会員500名限定のオフラインイベントを開催し、記念N F Tを、ファンクラブ内を通じて総合マーケットプレイス「L I N E N F T」でプレゼントしたのです。

提供:株式会社SKIYAKI

N F Tとは、画像や音楽などのデジタルデータに1点物のオリジナルとしてのお墨付きと所有権を付与することができるもの。1点物なので売買が可能で急速に普及しつつあります。2021年3月には、ツイッター創業者が出品した「最初のツイート」がN F Tとしてオークションに出品され、それが3億1700万円で落札されたことでN F Tは注目を集めました。女子サッカーのファンにとっても貴重なN F T商品が、これから開発されていくことでしょう。

こうしたプラットフォームを利用すれば、少ない初期投資と少人数のスタッフでファンクラブを運営することができます。それが、各分野で続々と公式ファンクラブサイトが立ち上がる背景です。

女子サッカーを多くの人に届ける吉田凪沙選手のファンクラブ

プラットフォームのようなファンクラブ立ち上げのバックヤードについて、ある程度の理解ができました。では、実際にファンとの接点を持つ当事者である選手は、ファンクラブでのコミュニケーションをどのように考えているのでしょうか。ニッパツ横浜FCシーガルズでプレーする吉田凪沙選手に聞いてみました。吉田選手は、今シーズン、センターバックまたはアンカーでプレーしています。吉田凪沙選手はマネジメント事務所の株式会社 Chamsの協力を得て『ねぎくらぶ2022』を立ち上げています。日ノ本学園高校時代の同期で最強のパートナー・竹村美咲さんがオフィシャルサイトの管理者として吉田選手を支えています。

吉田凪沙選手 Photo by Ke Twitter→@ke780kx5 instagram→@ke_photo410

「ありのままの自分」を発信する

「発信をすることは苦手でした。でも、選手のうちにしかできないこと、自分なりにできることをやってみようという興味本位でファンクラブをはじめました。少しでも女子サッカーに興味を持ってくれる方が増えればと思っています。ニッパツ横浜FCシーガルズのことも、もっと知ってほしいです。」

興味本位ではじめたというファンクラブに、吉田選手は一つのルールを定めました。

「自分を着飾らないというか、ありのままの自分でいるようにしています。着飾らずに素で発信することを決めています。」

吉田選手は『ありのままで、そのままで素敵である。』というコンセプトのファッションブランド『E N A H (エナ)』も展開しています。「ありのままの自分」はファンクラブを持続するためのルールであると同時に、自分らしさをファンに伝える基本姿勢にもなりました。 

吉田凪沙選手 Photo by Ke Twitter→@ke780kx5 instagram→@ke_photo410

ファンと一緒に横断幕を作る

では、選手にとって、ファンクラブを開設するメリットは何なのでしょうか。吉田選手はこのように考えています。

「良かったことは、一人ひとりのファンと交流が深まることですね。コロナ禍なのでスタジアムではほとんど何もコミュニケーションをできませんでした。ファンクラブでは、気軽にコメントをしていただくことができ、一人ひとりのファンとのコミュニケーションが密です。ズームでのイベントも実施しているので、ファンの方を私から認識することができます。

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