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2022プレナスなでしこリーグ表彰式 リーガロイヤルホテル東京で華やかに開催 最優秀選手賞・大竹麻友選手(S世田谷)、得点王・千葉園子選手(Aハリマ) 中澤佑二さんらが参加

華やかな空気の中で、参加者は祝福と感謝の気持ちに包まれました。2022年10月26日に2022プレナスなでしこリーグ表彰式が開催されました。会場はリーガロイヤルホテル東京。天井の大きなシャンデリアよりも、壇上の選手たちが輝いて見えました。

今回は、写真と共に2022プレナスなでしこリーグ表彰式の模様をお伝えします。記事の後半では大竹麻友選手(スフィーダ世田谷FC)、千葉園子選手(ASハリマアルビオン)、山田仁衣奈選手(朝日インテック・ラブリッジ名古屋)の声をご紹介します。

ベストイレブン受賞者

大竹麻友選手が最優秀選手賞を受賞 

2022プレナスなでしこリーグ1部の最優秀選手賞に選ばれたのは大竹麻友選手(スフィーダ世田谷FC)でした。13得点でスフィーダ世田谷FCの優勝に貢献しました。今シーズンは、昨シーズンと比べるとパスワークの中で効果的な組み立てに参加した後にゴール前の得点機に顔を出すシーンが目立ちました。ボールを失った際には、いち早くボールを奪い返すためにポジションを崩してまでボール保持者を追う、スフィーダ世田谷FCらしさを象徴するプレーもひたむきに続けました。昨シーズンは敢闘賞。今シーズンは最優秀選手賞の初受賞となりました。

大竹麻友選手(スフィーダ世田谷FC)

ベストイレブンには2022プレナスなでしこリーグ1部を初優勝したスフィーダ世田谷FCから最多の4人(大竹麻友選手、石野妃芽佳選手、渡辺瑞稀選手、三本紗矢香選手)が選出されました。また、倉富祐歌選手が新人王を受賞しています。

スフィーダ世田谷FC

優勝監督賞のトロフィーは日本サッカー協会女子委員長の佐々木則夫さんから神川明彦監督に贈呈されました。二人は明治大学の先輩・後輩の関係。言葉を交わし、笑顔で手渡すシーンが印象的でした。受賞スピーチは、リーグ、チームに関わる多くの方への感謝に継ぐ感謝の言葉が続き、会場の参加者は、このコロナ禍でも関係者や支えてくださる人々のおかげで全ての試合が無事に開催されたことをあらためて認識しました。この日、一番の大スピーチとなりました。

神川明彦監督(スフィーダ世田谷FC)

特別賞、300試合出場にはレジェンドから祝福が

サッカー界のレジェンドが登壇しました。かつて、日本サッカーリーグで得点王に輝いた北沢豪さんと、なでしこリーグ得点王を4度受賞している大野忍さんは得点王、新人賞、敢闘賞のプレゼンターで登壇。Jリーグの連続フル出場記録178試合という前人未到の記録を持つ中澤佑二さんは特別賞のプレゼンターで登壇しました。

左から、大野忍さん、倉富祐歌選手(スフィーダ世田谷FC)、千葉園子選手(ASハリマアルビオン)、北沢豪さん

特別賞は、なでしこリーグの最多出場記録を更新した中野真奈美選手(スペランツァ大阪)に贈られました。中野選手の初出場は2005年4月10日。17年を駆け抜け、偉大なゴールキーパー・山郷のぞみさん(現・ちふれASエルフェン埼玉ゴールキーパーコーチ)の記録を塗り替えました。「来年は個人ではなくチームとして、この式典に出られるように頑張りたいと思います」とスピーチし、会場から大きな拍手が贈られました。

中澤佑二さんと中野真奈美選手(スペランツァ大阪)

300試合出場を達成した深澤里沙選手(スペランツァ大阪)のプレゼンターは高倉麻子さん(元・日本女子代表監督)。高倉さんは、なでしこリーグの最優秀選手賞を2度受賞。スペランツァF C高槻で引退していますので深澤選手、中野選手の先輩に当たります。深澤選手は「WEリーグに負けずになでしこリーグを盛り上げていきたい」と力強くスピーチ。今シーズンのスペランツァF C高槻は経験豊富な選手たちが、才能を秘めた若い選手の潜在能力を引き出すチームとなった印象です。

高倉麻子さんと深澤里沙選手(スペランツァ大阪)

来シーズンは2チームが昇格へ

2022プレナスなでしこリーグ2部を初優勝した静岡SSUボニータの高橋美香選手と小川貴史監督、そして最優秀選手賞と得点王に輝いた大和シルフィードの濱本まりん選手はビデオメッセージで参加しました。この2チームが、来シーズンは2022プレナスなでしこリーグ1部に参戦します。また、新しい風を吹き込んでくれることでしょう。

2022プレナスなでしこリーグ表彰式 受賞者

〈なでしこリーグ1部〉

優勝:スフィーダ世田谷FC [初]
第2位:伊賀FCくノ一三重
第3位:ASハリマアルビオン
フェアプレー賞:朝日インテック・ラブリッジ名古屋 [初]

〈なでしこリーグ2部〉

優勝:静岡SSUボニータ [初]
第2位:JFAアカデミー福島
第3位:大和シルフィード
フェアプレー賞:静岡SSUボニータ [4回目] 

〈なでしこリーグ1部〉

個人表彰

・最優秀選手賞
大竹 麻友  FW (S世田谷)[初]

・ベストイレブン

石野 妃芽佳 GK (S世田谷)[初]
小山 史乃観 DF (C大阪堺)[2回目]
秦 美結   DF (伊賀FC)[初]
渡辺 瑞稀  DF (S世田谷)[初]
千葉 園子  MF (Aハリマ)[2回目]
百濃 実結香 MF (C大阪堺)[初]
三本 紗矢香 MF (S世田谷)[初]
三橋 明香  MF (伊賀FC)[初]
浦島 里紗  MF (オルカ)[初]
大竹 麻友  FW (S世田谷)[2回目]
山田 仁衣奈 FW (名古屋)[初]

・得点王
千葉 園子  MF (Aハリマ)[初]

・敢闘賞
千葉 園子  MF (Aハリマ)[初]

・新人賞
倉富 祐歌  DF (S世田谷)

・優勝監督賞
神川 明彦 (S世田谷)[初]

〈なでしこリーグ2部〉

個人表彰

・最優秀選手賞
濱本 まりん MF(大和S)[初]

・得点王
板村 真央  FW(ac福島)[初]
濱本 まりん MF(大和S)[初]

・新人賞
板村 真央  FW(ac福島)[初]

〈特別表彰〉

・300試合出場選手
深澤 里沙  MF(スペ大阪)2022/5/14達成

・特別賞
中野 真奈美 MF(スペ大阪)

・最優秀審判賞
近藤 恭子 氏[初]

表彰式終了後にお聞きした3選手の喜びの声 

表彰式の終了後、3人の選手から喜びの声を聞くことができました。最優秀選手賞を受賞した大竹選手は「チーム全員で優勝できた上に、このような賞をいただけて、とても嬉しく思っています。」という第一声。

今シーズンのスフィーダ世田谷FCの強さの理由を聞かれ「みんながみんなのために頑張るチームです。ベンチ外の選手が、試合後に駆け降りてきて一緒に喜ぶ関係が、このチームの一番の強みだと思います。」と答えました。

昨シーズンの表彰式で「課題はメンタル面」と話していた大竹選手。今シーズンはP Kで6度のチャンスを得ながら4得点にとどまり、引き続きメンタル面を課題としています。おめでたい表彰式であるのにも関わらず「若いチームで精神的支柱に、もっとならなければいけない」と反省を口にしました。しかし、その気持ちがある限り、自分自身のレベルアップは、必ず実現するはずです。ご本人以上に、周囲が、その実力と活躍を認めています。

大竹麻友選手(スフィーダ世田谷FC)

岩渕真奈選手に励まされた経験を今に活かす千葉園子選手

千葉選手は14得点で得点王、敢闘賞、ベストイレブンの三賞を受賞。得点王を「憧れだった」と表現しました。

「私がなれるとは思っていませんでした。たいへん嬉しく思います。個人で打開して決められるような強い選手ではないので、みんなで作り上げて最後に競り勝つ気持ちや、泥臭くても得点を決める気持ちを誰よりも持っている自信があります。結果として、たくさんの点をとれたのはチームの成果だと思います。」

千葉園子選手(ASハリマアルビオン)

所属するASハリマアルビオンは大躍進しました。第14節から9連勝し3位でフィニッシュ。まさに敢闘賞です。

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