WE Love 女子サッカーマガジン

日本サッカー殿堂入りした日本国内プロサッカー選手の第一号 木村和司さんからWEリーガーへのメッセージ「もっと楽しめよ。」 その意味

名誉総裁高円宮妃久子殿下ご臨席の下、高円宮憲仁親王 日本サッカー殿堂 特別掲額式典 第17回・第18回日本サッカー殿堂 掲額式典がJFAハウスで行われました。日本サッカーのために心血を注いでくださった皆さんの作った歴史を振り返り、功績をたたえ、その先で迎える明るい未来を誓いました。

高円宮憲仁親王 日本サッカー殿堂 特別掲額式典の後、開式の辞の中で、日本サッカー協会会長の田嶋幸三さんからFIFA U-20女子ワールドカップ準優勝の報告がありました。そして、併せてフェアプレー賞の受賞を讃えました。フェアプレーを追求しながら世界のトップを目指すことを誇りとする高円宮憲仁親王の教えは若い世代に脈々と受け継がれています。

続いてご登壇された高円宮妃久子殿下は掲額される方々の功績を讃え、高円宮憲仁親王が大切にされたフェアプレーについて振り返られた後に、UEFA欧州女子選手権イングランド2022(ユーロ)の決勝戦が8万7192人の大観衆を集めたこと、そしてWEリーグに期待し「日本女子代表が世界のトップになることを願っております。」とお話しされました。

名誉総裁高円宮妃久子殿下

女性初の殿堂入りは綾部美知枝さん

今回の掲額式典では、第18回殿堂掲額者として綾部美知枝さんが女性初の殿堂入りを果たしました。WE Love 女子サッカーマガジンでは2022年9月16日に綾部美知枝さんのインタビュー記事を掲載予定です。

綾部美知枝さん

木村和司さんからのWEリーガーへのメッセージ「もっと楽しめよ。」

第17回殿堂掲額者の木村和司さんが式典終了後に取材に応えてくださいました。

木村和司さん

木村和司さんは1980年代の日本代表、そして日産自動車で活躍した日本国内プロサッカー選手の第一号です。FIFAワールドカップ メキシコ1986アジア地区予選の韓国代表戦で決めた「伝説のフリーキック」は、日本サッカー史の名場面として今も語り継がれています。1993年5月15日のJリーグ開幕戦でプレー。1994年シーズンに引退。2011年シーズンに横浜F・マリノスの監督を退任してから第一線を退いている木村和司さんは、今、女子サッカーの指導に挑戦してみたいのだそうです。

「女子の方が面白い。可能性がある。(佐々木)則夫が世界一になったが、あれはまぐれだから(笑)」という強気の冗談は現役時代そのままです。WEリーグが始まり、プロとなった女子サッカー選手は試行錯誤の毎日が続きます。そんなWEリーガーに、木村和司さんから伝えたいメッセージがありました。

「プロ選手は好きなサッカーをやってお金をもらっているのだからもっと頑張れと思う。もっと楽しめよ。」

木村和司さんはプロ選手の先駆けとして、常に日本サッカーの先頭を走ってきました。しかし、1986年のプロ契約(スペシャル・ライセンス・プレーヤー)後にプレーの精彩を欠いてしまいます。「プロとして良いプレーをしなければならない」「良い格好を魅せなければならい」と重圧を感じすぎたことが、その原因であったと後に語っています。

たった7文字の短い言葉です。でも、そんな木村和司さんだからこそ説得力のあるアドバイス……「もっと楽しめよ。」でした。

(2022年9月10日 石井和裕)

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