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大和シルフィードは他のクラブと何が違うのか? なでしこリーグ2部でプロ選手としてプレーする濱本まりん選手が大和にいる理由 

WEリーグ参入を目指す大和シルフィードはオンリーワンの女子サッカーチームになりつつあります。2022年シーズンは降格によりなでしこリーグ2部を戦っていますが、なんと、日本の女子サッカーチームとしては史上初めて日産スタジアムでホームゲームを開催しました。キャパシティが7万2000人を超える日本一の巨大スタジアムでホームゲームを開催できたのは、パートナーシップを締結した日産自動車の協力があったからです。大和シルフィードは女子サッカーの価値を地域社会や企業に提供し、これまでにあり得なかった夢の実現で、たくさんの女性アスリートに希望を届けています。 

そんな大和シルフィードで、2部を戦う2022年シーズンからプロ契約をした選手がいます。濱本まりん選手です。女子プロサッカーリーグであるWEリーグですらプロ契約をする選手は全選手の2/3程度という環境の中、アマチュアリーグのなでしこリーグで、しかも2部リーグでプロ契約をするのは異例のことです。 

濱本選手は、なぜプロ契約をしたのでしょうか。そして、大和シルフィードは、なぜプロ契約をし、何を目指しているのでしょうか。 

「今回の契約はWEリーグ基準にしっかり沿うものです。プロA契約が5人以上、プロB&C契約が10人以上というのが現時点でのプロリーグ参入基準ですので、そのラインを越えるための今回は第一歩。目指すはあと14名のプロ契約です。」 

濱本選手のプロ契約について、大和シルフィード 代表取締役の大多和亮介さんは「15分の1人目のプロ選手」だとnoteにその考えを表明しました。 

今回は濱本まりん選手にプロ契約のこと、大和シルフィードでプレーすることについて、お話をお聞きしました。 

提供:大和シルフィード

濱本–シーズン序盤にチーム内で複数の選手が新型コロナウィルスに観戦してしまい、チームとして十分な準備をすることができませんでした。第4節、第5節で連敗してしまいました。第9節では勝てそうな試合を93分に追いつかれて引き分けてしまい勝ち点を落としたので、2022プレナスなでしこリーグ2部の優勝争いで首位から勝ち点4(第15節終了時点では6)を離されています。 

—優勝を争うライバルの静岡SSUボニータとの試合は2試合とも落としてしまいましたね。 

濱本– 1戦目は自分達の力を出しきれないバタバタした試合でした。2戦目は自分達の課題が明らかに出た試合でした。 

「まりんは勝ち取ったから」と言ってもらえた 

濱本– 2019年シーズンに岡山湯郷Belle(なでしこリーグ2部)からAC長野パルセイロ・レディース(なでしこリーグ1部)に移籍しました。しかし、チームから求められるプレーと自分のスタイルが合わず、思うような結果が出せなかったので、他のチームへの移籍を考えました。2020年に大和シルフィードに声をかけていただき移籍しました。 

—濱本選手は、なでしこリーグ2部では珍しいプロ契約をされている選手です。大和シルフィードは、今シーズンからなでしこリーグ2部に降格されたので、今シーズンも継続してプレーし、しかも、プロ契約もするというご決断に難しい面があったと思いますがいかがですか? 

濱本– 2部に降格しましたが、自分自身は大和シルフィードで1部に昇格したかったので、このチームに残りたいと思っていました。ただ、残留争いを終えて疲労困憊な状態になっていましたので条件面でクラブに相談させていただきました。その結果、プロ契約となりました。 

—プロ契約をして生活が変わりましたか? 

濱本– 昨シーズンの後半は、練習をしていても、ずっと疲れていたので監督の指示が、なかなか頭に入りませんでした。残留争いの中で、いっぱいいっぱいでやっていたからでしょうね。たくさんのストレスがありました。 

今シーズンは、スムーズに指示を理解することができています。自分だけがプロ契約なので、当初は心配なところがあったのですが、チームメイトから「まりんは勝ち取ったから」と言ってもらいました。自分はチームメイトに恵まれていると思います。キャプテンの西山春香選手と一緒にチームを引っ張っていこうと思っています。 

—なでしこリーグ2部は、どのようなリーグですか? 

濱本– 「2部でプレーするのは物足りないでしょ?」とよく言われます。でも、今のなでしこリーグ2部はレベルが高いです。自分自身が成長できるリーグだと思います。 

—日本の女子サッカーらしくつないで崩すサッカーを目指しているチームが多いように感じます。いかがですか? 

濱本– フロントがなでしこリーグ1部やWEリーグを目指してに力を入れているチームが多いので、どのチームもなでしこリーグ1部に負けず劣らない戦いをできていますね。 

—志の高いチームが多いですね。 

日本最大のスタジアムでプレーして得られたことがある 

—今シーズンに、大和シルフィードは日産スタジアムでホームゲームを開催しました。プレーした感想はいかがでしたか? 

濱本– いやー、本当に良いピッチでした。スタジアムの大きさに驚きました(笑)。ピッチからの景色が素晴らしかったのでテンションが上がり楽しくプレーできました。周りの方がたくさん盛り上げてくださりました。スタグル、スタジアムDJ……いろいろな方法で盛り上げてくださりました。

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