WE Love 女子サッカーマガジン

今、明かす昨シーズン苦闘の理由と今シーズンの目標「走力戦で最後まで相手ゴールを脅かすサッカーをします」杉田亜未選手(N相模原) 

ノジマステラ神奈川相模原は菅野将晃監督が復帰。不本意だった1年目のシーズンの雪辱を誓います。8月20日に開幕する202223 WEリーグカップの開幕に向けて、厳しいトレーニングに励んできました。 

菅野将晃監督といえば「走るトレーニング」

今回は、杉田亜未選手にお話をお聞きします。杉田選手は昨シーズンの前半を伊賀FCくノ一三重でプレー。圧倒的な強さで2021プレナスなでしこリーグ一部を優勝し、11月に開催されたプレナスなでしこリーグ2021表彰式で最優秀選手賞を受賞しました。 

WEリーグのウィンターブレイクにあたる1月にノジマステラ神奈川相模原に移籍。シーズン途中の移籍ではリーグ最大の補強となりました。後半戦は全試合に先発出場。主力選手として活躍しました。労を惜しまない運動量とバイタルエリアで巧みにボールを受けるプレースタイルが池田太監督の目に留まり、EAFF E―1サッカー選手権2022決勝大会で久々になでしこジャパン(日本女子代表)に復帰。優勝に貢献しています。 

杉田選手は、どのような気持ちで移籍しプレーしたのでしょうか。そして、今週から幕を開けるWEリーグ2年目のシーズンをどのように迎えるのでしょうか。 

ノジマステラ神奈川相模原の中盤を支える杉田亜未選手

WEリーグのチームにも必要な選手だと思ってもらえるようなプレーを心がけてきた 

杉田–早くWEリーグでプレーしたい気持ちは以前からありましたが、なでしこリーグとWEリーグのシーズンがずれているので、このタイミングでの移籍となりました。自分が何歳までプレーできるかわかりませんから、割と、早くに移籍の決断をしていました。地元神奈川でプレーできることも(ノジマステラ神奈川相模原を選んだ)大きな理由です。 

伊賀FCくノ一三重は、強度がずば抜けて高いチームで、WEリーグのチームと対戦しても負けないサッカーを目指していたように見えました。ご自身も上を見据えて心掛けてきたことがあったのでは? 

杉田– なでしこリーグでは優勝を目標にしていました。そして優勝することができました。それに加えて、自分は、WEリーグのチームにも必要な選手だと思ってもらえるようなプレーを心がけました。自分は目標を定めた方が頑張れます。高い目標を持ち続けてプレーすることが大事だと思ってきました。 

高い目標がゆえに苦しいことはありませんでしたか? 

杉田– ずっとハイではいられないので、練習が終わるとサッカーのことを考えないようにして、心のバランスをとっていました。(好きな)コーヒーでリラックスすることもあります。しんどくなりすぎるときもあったので、シーズンの途中でも、一度、気持ちをゼロにするというか……たまに、何も考えないようにするときもありました。 

リーグ再開直後に手応えを感じた 

杉田– 自分自身、初めての移籍だったので、正直、不安がありました。まず出場することを目標に、ノジマステラ神奈川相模原でのトレーニングをスタートしました。チームメイトは優しくて溶け込みやすいチームだったので、やりやすかったです。 

自分が入ることによってチームに変化を出したいと思っていました。最初の試合(2021-22 Yogibo WEリーグ  第12節 大宮アルディージャVENTUS戦)からアグレッシブにプレーできました。引き分けたのは悔しかったです。でも「ノジマステラ神奈川相模原に新しい風が吹いた」と書かれているのを見て、新しいノジマステラ神奈川相模原のスタイルが生まれたことを感じることができ、移籍してよかったと思いました。チームとしてこれからの試合が楽しみになる試合でした。 

もちろん、その後は対戦相手が研究してきたので、上手くいことばかりではありませんでした。上手くいかないこともたくさんあったのですが、それはチームスポーツなので仕方ないことです。負け続けて学べたこともたくさんあったと思います。そこで得られたことを、今シーズンに向けて出していきたいです。 

ドリブル突破も杉田亜未選手の魅力

その後、三菱重工浦和レッズレディース戦、日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦でも好ゲームを展開しましたね。 

杉田– 強い相手にどこまでできるかチャレンジし、それを表現できた試合でした。手応えはありました。 

苦しんだWEリーグ終盤戦 

杉田– 自分が入ったからチームが変わったということではないと思います。アグレッシブに仕掛けるのは、以前からノジマステラ神奈川相模原が目指していたスタイルです。そこに、自分のプレーが合っていたのだと思います。 

移籍後のプレーで「これまでやってきたことが正しかった」と納得できたのはいつくらいですか? 

杉田– 最初の頃の方が手応えがありました。リーグ終盤戦の方が上手くいかないプレーが増えていったと感じています最後の方は、「最初の頃の良いイメージをもう一度」と思って、皆で悩みながらプレーしていました。難しいシーズンでしたね。 

シーズンの途中から少しずつ、選手の間で考えがずれていった部分もありました。チームで戦うのに足りない部分に気づけたシーズンでもありました。チームの方向性って大事ですね。

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