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新しい女子サッカーが生まれるノジマステラ神奈川相模原の相模原ギオンスタジアムと「たまご街道」スイーツ #女子サカ旅

ウィンターブレイクを終えて、日本の女子サッカーは変わろうとしています。試合は激しさを増し、再び世界のトップと対等に戦えるスピーディで力強いサッカーに流れが傾きつつあります。相模原ギオンスタジアムをホームスタジアムとするノジマステラ神奈川相模原は、早くからそこに着眼し、2020年シーズンに北野誠監督を招聘しました。これまで、女子サッカーとは遠くJリーグクラブの指揮をしていた北野誠監督は、力強く粘り強い守備、迷いなく足元に飛び込む球際、「自分たちのサッカー」を追求するだけではなく相手の戦術に合わせポジショニング等を指導し、ノジマステラ神奈川相模原を通じて日本の女子サッカーに刺激を与えてきました。

しかし、開幕したWEリーグ前半戦の成績、そして観客動員が振るわないと見るや、ノジマステラ神奈川相模原は次の手を打ちました。北野誠監督は今シーズン限りという発表。女子サッカー界に衝撃が走りました。それでも、ピッチ上では監督と選手が共に前を向いて戦い続けています。2022年3月13日はWEリーグ後半戦のホーム開幕。WEリーグで最もフィジカルコンタクトが厳しいと評判の三菱重工浦和レッズレディースに肉弾戦を挑みました。皇后杯 JFA全日本女子サッカー選手権大会優勝チームの強豪に真っ向勝負を仕掛けたのです。そして、0−2の劣勢から同点に追いつき、貴重な勝ち点1を確保しました。

北野誠監督は就任一年目の2020年10月3日に、ここ相模原ギオンスタジアムでノジマステラ神奈川相模原を指揮し、女王・日テレ・東京ヴェルディベレーザに圧勝しました。あのとき、日本の女子サッカーの歴史は動きました。下位のチームを日テレ・東京ヴェルディベレーザが圧倒できる時代は終わったのです。そして、2022年にWEリーグが始まり、三菱重工浦和レッズレディースも勝ち点をロスし苦渋を舐めました。

横浜市から相模原市を訪れるプチ旅

さて、前置きが長くなりすぎました。今回は、横浜駅から相模原ギオンスタジアムに向かいます。相模原ギオンスタジアムの場所をイメージできない方がいるかもしれません。小田急線と相模線の間に位置するスタジアムです。最寄駅は相模線の原当麻駅。難読駅名ですね。「はらたいま」と読みます。相模原ギオンススタジアムには小田急線の相模大野駅からバスで向かう人もいます。

横浜駅

横浜駅で丹沢あんぱんに出会う 

オギノパン

今日は、原当麻駅からのルートで相模原ギオンスタジアムを目指すことにします。まずは相鉄線で海老名駅に向かいします。相鉄横浜駅の改札を通るとオギノパンが見えてきました。オギノパンは職人が創るこだわりのパン屋さん。本社は相模原市、丹沢湖の近くにあります。

オギノパンが有名になったのは山の中の直売所で売られ人気に火がついた丹沢あんぱんからです。薄皮の自家配合ブリオッシュ生地に、和菓子餡を包み、ひとつひとつ職人が手で包んで作っています。ですからまったく同じ形のパンは2つと存在しません。

これから相模原市に向かうのに、幸先よく横浜駅で丹沢あんぱんとの偶然の出会い。相模原ギオンスタジアムへの道中にオギノパンの店舗はありませんから、ここで購入するのも良いかもしれません。

相鉄横浜駅

海老名行きの快速電車が動き出しました。相鉄線は、途中、アメリカ海軍厚木海軍飛行場の横を通ります。あのマッカーサー元帥が、占領下の日本への第一歩を踏みしめた飛行場です。車窓から、見つけられるかもしれません。左側です。そういえば、目的地の相模原市もアメリカ軍の基地がある街ですね。

「走る喫茶室」の再現から無人駅を通過して相模原市に向かう

海老名駅を降りてペデストリアンデッキを移動します。途中、緑に囲まれたオープンカフェがありました。ロマンスカーミュージアムクラブハウスです。ロマンスカーを愛する人や街の人々が集うくつろぎ空間。かつて、新宿から箱根湯本まで「走る喫茶室」と呼ばれたロマンスカーの懐かしのメニューを再現した「日東紅茶とクールケーキのセット」等を楽しめます。このカフェのあるロマンスカーミュージアムは、歴代の小田急ロマンスカーを体感することができる鉄道博物館です。時間に余裕があれば、立ち寄ってみたいですね。

ロマンスカーミュージアムクラブハウス

海老名駅でJR東日本の相模線に乗り換えます。相模線は橋本駅から茅ヶ崎駅まで走る単線の路線です。全線電化されたのは、かなり遅く1991年。それまでは、首都圏の鉄道であるのにもかかわらずディーゼルカーが走っていました。現在、約半分の駅が無人駅でローカル線の風情があります。横浜駅から乗り換え一つを経ただけで、遠くを旅する気分が味わえます。特に左側の車窓には、大山と丹沢の山々、相模川の田園風景が広がります。

相模原ギオンスタジアムの最寄駅となる原当麻駅で上り列車と下り列車が駅ですれ違います。ここで降りて、徒歩でスタジアムに向かうのですが、これまで、一度も、この駅が混雑している光景に遭遇したことがありません。相模原ギオンスタジアムには、電車ではなく自動車で行く人が多いようです。

原当麻駅

坂の上にスタジアムがある

駅前にあるショッピングセンターの右向こうにスタジアムの照明塔が見えます。相模原ギオンスタジアムは一段高い丘の上にあります。グーグルマップでは表示されにくい相模原公園せせらぎの園地区の脇の坂道を上がれば徒歩20分弱で到着します。相模原ギオンスタジアム周辺には色鮮やかな花を咲かせるハナショウブ園、メタセコイア並木に囲まれたフランス式庭園などがあり緑に囲まれています。周辺市民の憩いの場です。ベンチに座って、横浜駅で買った丹沢あんぱんを食べましょう。

原当麻駅前

実は米軍基地に近いスタジアム

近くに在日米陸軍司令部、米陸軍第軍団司令部などが置かれたキャンプ座間があります。キャンプ座間はアメリカ陸軍の基地ですが、実は、グーグルマップで見ると敷地内に空港があります。もし運が悪いと、この空港に着陸するヘリコプターが、爆音を鳴らしながら相模原ギオンスタジアムの頭上を低空で何機も通過します。神奈川県にアメリカ海軍厚木海軍飛行場とキャンプ座間の2つの軍用空港があることは、あまり知られていません。相模原ギオンスタジアムは、目の前の女子サッカーと、身近な軍の存在を同時に感じられるスタジアムなのです。この地域では、沖縄の基地問題も身近な話題につながっています。頭上をヘリコプターが飛んで初めて知ることができる現実ですね。足を運んで感じて知ることは、旅の財産となります。

相模原ギオンスタジアムは、囲む周囲の通路の幅が広いので、スタジアムを囲むようにキッチンカーが並びます。ノジマステラ神奈川相模原のホームゲームは再入場可能。キッチンカーでスタグルを購入して、スタンドに戻るファン・サポーターも多く見られます。ゴール裏は芝生席なので、のんびりしたムードが漂います。

相模原ギオンスタジアム

目的地の「卵街道」はバックスタンド側

さて、試合を終えて、今度は来た道とは逆にバックスタンド側へ進みます。スタジアムの敷地を出ると女子美術大学 相模原キャンパスがあります。その一角には女子美アートミュージアム。この日は『2021年度女子美術大学大学院博士前期課程修了制作作品展』が行われていました。ちなみに、相模原ギオンスタジアムに最も近いコンビニエンスストアは多くの人に見落とされています。それはヤマザキスペシャルパートナーショップ 女子美術大学店。女子美アートミュージアムの横にあります。

読者に何の説明もせずに県立相模原公園の外に出ました。どこに向かっているのでしょう。筆者が向かっているのは、今日の目的地「たまご街道」です。相模原市の麻溝台は古くから養鶏が盛んな地域です。現在も7戸が養鶏を続けています。その直売所が集まった一角が「たまご街道」と呼ばれているのです。相模原ギオンスタジアムから15分ほど歩くと、最初の直売所が見えてきました。いよいよここからが本題です。

田中養鶏場の直売所

田中養鶏場の直売所

美味しい卵スイーツを探して「たまご街道」を歩く

これは、直球勝負の直売所という感じがします。卵の自動販売機です。「プレゼントにどうぞ」という文字も目に入ります。収穫されたばかりの卵を購入できるようです。「こんなはずじゃない!」この直売所を足早に通過してバス通りに出ると、カラフルなのぼりが風になびいていました。数軒の直売所が見えます。目指すは女子に人気の2軒の直売所。本日の探し物は「朝どれ卵」ではなく、美味しいプリンです。

農場の家

なんと完売!空の冷ケース

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