WE Love 女子サッカーマガジン

「なでしこリーグならではの魅力」を明確に表現した新トロフィーとメダルを争う2022 プレナスなでしこリーグ開幕へ(無料記事)

2022 プレナスなでしこリーグ 開幕記者会見」が開催され、全チームの選手・監督が抱負を語りました。アマチュア女子サッカーの最高峰・2022プレナスなでしこリーグ1部は12チームで行われ、3月 19 日(土)、20 日(日)に開幕します。

コンセプトワード「コンビビアル」を象徴する1部の優勝トロフィーを刷新

2022 プレナスなでしこリーグのテーマワードは「コンビビアル」に決まりました。ラテン語の convivere に由来し、con は「共に」、vivere は「生きる」、「共に生きる」を意味しています。多様な背景を持つ選手たちの活躍を祝います。

新しいトロフィーの制作者は渡辺志桜里さん。近年活躍中の女性現代アーティストです。トロフィー全体の形は、サッカーボールを原型にしており、選手達がサッカーのために集まった様子を想起させます。その形状は、優勝チームの選手に贈呈されるメダルと連携しており、チームの選手一人一人を表すメダルの形が集まって一つのトロフィーの形になります。

なでしこリーグ理事 ヨーコ・ゼッターランドさん(日本女子体育大学 准教授)によってお披露目されたトロフィーとメダル

日本の伝統・組紐と約300種のナデシコ科の花が交わるメダル

メダルの内側にはナデシコ科の様々な花が描かれています。世界には約 300 種のナデ シコ科の花があり、それらを模して描かれた花々は選手一人一人の多様性を表します。メダルの形と柄の組み合わせは 一つとして同じものがありません。メダルをかける首紐には通常リボンが用いられますが、新しいメダルでは日本の伝統的な組紐を使用しています。

組紐を採用したメダル

連覇を誓う作間琴莉選手(伊賀FCくノ一三重)

ディフェンディングチャンピオン伊賀FCくノ一三重のホームタウン・伊賀市は組紐の街として知られています。南北朝時代末期に、伊賀で発祥したといわれている観世能の観阿弥の衣装や面などに組紐が用いられたことが、そのルーツと言い伝えられています。江戸組紐の技術は、今も伊賀市に息づき、特に手で組みあげる手組紐は、全国の生産額の約90%を伊賀市で生産しています。

伊賀FCくノ一三重の作間琴莉選手は、このように話し、なでしこリーグ1部連覇を誓いました。

「自分たちにゆかりがあり、共感できるメダルです。自分たちは組紐を靴紐にも使用させていただいているので縁があると思いました。より一層、メダルを胸にかけたい思いが強くなりました。」

作間琴莉選手(伊賀FCくノ一三重)

地域の期待を背負って戦う

オルカ鴨川FCの浦島里紗選手は、開幕を直前に控え、このように話してくれました。

「地域の皆さんに支えていただいて試合をできていると選手全員が感じています。働かせていただいている職場の人たちに『頑張ってね』と声をかけていただいています。ボランティアスタッフからの声もたくさんいただいています。」

浦島里紗選手(オルカ鴨川FC)

ASハリマアルビオンの千葉園子選手は、地域にアツい思いを伝えてくれました。

「播磨地域・姫路市は『女子サッカーの街」です。私たちが地域貢献活動をする中で、サポーターやファンの方々に声をかけていただいています。新しくスポンサーになられる企業も増えてきて、温かい方たちと一緒にいる実感があります。」

千葉園子選手(ASハリマアルビオン)

リーグ全体で皇后杯 JFA全日本女子サッカー選手権大会優勝チーム輩出を目指す

なでしこリーグ事務局からは「なでしこリーグの価値を高める」ための3つの方針が示されました。その一番目に紹介されたのは「皇后杯優勝、日本代表選手輩出」でした。今シーズンから、なでしこリーグでは強化担当者会議を設定。チーム力強化のための情報交換を活発化します。また、全世界のサッカー協会、リーグ、クラブ、選手やエージェントに試合の映像や統計データ、分析ソリューションを提供するITサービス「インスタット」と契約を締結し、スカウティングシステムを全チームに提供します。これらの取り組みにより、参加チームと所属選手のレベルアップを、なでしこリーグがバックアップしていきます。その方針の第一歩を踏み出した昨シーズンはセレッソ大阪堺レディースが皇后杯 JFA全日本女子サッカー選手権大会で旋風を巻き起こしました。今シーズンも期待が膨らみます。

全132試合を実況付きLIVE配信

2022プレナスなでしこリーグ1部はYouTubeで全132試合が実況付きLIVE配信されることが発表されました。移籍、退団、プロ入り等で、各チームとも、メンバーが大きく入れ替わっています。今シーズンは、次世代の新星が数多く躍進するかもしれません。どの試合も見逃せません。

(2022年3月14日 石井和裕)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ