高倉麻子なでしこジャパン監督インタビューを各紙はどう伝えたのか? 比較してみた
新年あけましておめでとうございます。 #女子サカマガ 立ち上げから3ヶ月が経過。無事に年を越すことができたのは、皆様のおかげです。ありがとうございます。今月は高倉麻子監督インタビュー記事を皮切りに、日本サッカー協会最高顧問の大仁邦彌さん、スペインで活躍する田中陽子選手をはじめ注目のインタビュー記事が目白押しです。
さて、今年はWEリーグがスタート。そして東京オリンピックの年です。こんな年の元日は、代表監督のインタビューが新聞誌面を飾るのがお約束となっています。そこで、各紙の高倉麻子なでしこジャパン監督インタビューがどのような内容で、どれくらいのボリュームだったのかをご紹介します。各紙で何に重点を置いて報じるか微妙に異なるのが面白いです。是非ご覧ください(東京スポーツのみ1月2日掲載)
時事通信 森保監督「我慢強く」 なでしこ、五輪金へ決意―サッカー男女代表
全828文字、高倉麻子監督部分283文字
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021010100124&g=spo
2020年12月17日に高円宮記念JFA夢フィールドで行われた、森保一監督、高倉麻子監督の合同記者会見の記事。見出しに高倉麻子監督の名前はありません。記事の後半が高倉麻子監督のインタビューとなっており、その小見出しは「日本らしく」。「日本らしい戦いで勝つ。五輪に対しては期待しかない」から引用しています。覚悟を伝えることに主眼を置いた記事なっています。
ニッカン なでしこ高倉監督、東京五輪へ「運命を感じながら」
1274文字
https://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/202101010000179.html
こちらも、2020年12月17日に高円宮記念JFA夢フィールドで行われた、森保一監督、高倉麻子監督の合同記者会見をもとにした杉山理紗さんの署名記事。高倉麻子監督の写真を掲載しています。前半では世界一になった2011年から2021年までの10年間を振り返ります。後半で2020年のなでしこジャパンの活動を確認。新たに招集した6選手に触れ、2021年を「勝負の一年」としてまとめました。東京オリンピックが、日頃は女子サッカーに興味をお持ちではない方にも女子サッカーの面白さを披露できる機会だと、前向きに感じられる内容です。
報知新聞 高倉麻子監督、なでしこブームから10年 五輪初の金メダルへ「新しい時代を築いていきたい」…インタビュー
598文字
https://hochi.news/articles/20201231-OHT1T50276.html
こちらも、2020年12月17日に高円宮記念JFA夢フィールドで行われた、森保一監督、高倉麻子監督の合同記者会見をもとにした小又風花さんの署名記事。高倉麻子監督の写真、2021年のなでしこジャパンのスケジュール画像、予想布陣画像、過去のオリンピックでの戦績画像を掲載しています。記者会見での3問の質問と、その答えをテキスト化して掲載しています。メンバー選考に重点を置いているようです。
スポニチ なでしこ高倉監督、頂点への決意 11年W杯優勝を「過去のものにしなければ」
717文字 そのうち高倉麻子監督のプロフィール185文字
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2021/01/01/kiji/20201231s00002014483000c.html
こちらも2020年12月17日に高円宮記念JFA夢フィールドで行われた、森保一監督、高倉麻子監督の合同記者会見の記事。森保一監督、高倉麻子監督のツーショット写真を掲載しています。「2011年から2021年までの10年間を振り返り、11年を超えるには、東京五輪での「金」しかない。」で締めくくっており、各紙の中で最も厳しい文調と期待の大きさに感じました。
東京スポーツ 【なでしこジャパン】高倉監督が感じたイレブンの変化「明らかに目の色が変わった」
1349文字
https://www.tokyo-sports.co.jp/soccer/japan/2569068/
こちらも2020年12月17日に高円宮記念JFA夢フィールドで行われた、森保一監督、高倉麻子監督の合同記者会見の記事。森保一監督、高倉麻子監督のツーショット写真を掲載しています。記者会見での6問の質問と、その答えをテキスト化して掲載し、最も記者会見の雰囲気が伝わる記事になっています。意気込みだけではなく「選手のリーダーシップ」と主将の熊谷選手の活躍にも触れています。締めくくりは「ブレずに強く進んでいければいい。」
女子サカマガ 金メダルは獲りにいきます! 高倉麻子監督が語るなでしこジャパンの2021年
8389文字
単独インタビューによる記事。実施目的がファンにまで浸透していないなでしこチャレンジトレーニングキャンプについて、なぜ10月になでしこジャパン(日本女子代表)候補トレーニングキャンプを再開することになったのかを前半で掲載しています。記事の中盤ではFIFA女子ワールドカップ2019フランス大会で、なでしこジャパンの弱点と指摘された「プレーの強度」について、突っ込んだお話。終盤ではWEリーグヘの期待と、金メダル獲得のために必要な「ゲームをコントロールする力」について文字数を割いています。
ちなみに #女子サカマガ で掲載した高倉麻子監督のインタビュー記事は0時に公開したので、2021年で最も早い高倉麻子監督のインタビュー記事でした。各紙で異なる視点をご理解いただけたでしょうか。一つの同じ合同記者会見でも、ここまで個性が現れます。
#女子サカマガ では2021年も、女子サッカーの可能性を広げ社会的意義を再確認できる記事を、専門メディアならではの視点で展開していく予定です。ご期待ください。
(2021年1月2日 石井和裕)