WE Love 女子サッカーマガジン

スフィーダ世田谷FCが激戦を制して優勝 新時代に入るプレナスなでしこリーグ2部

2020 プレナスなでしこリーグ2部の優勝はスフィーダ世田谷FC。初めての優勝です。11 15 日に開催された、最終節第18節でASハリマアルビオンを2-0で下しました。2位のちふれASエルフェン埼玉との勝ち点差は13位のオルカ鴨川FCとの勝ち点差は3の大混戦でした。2011年シーズンに2部リーグ(当時はチャレンジリーグ)参入以来、スフィーダ世田谷FCの優勝は初。

スフィーダ世田谷FC2013年にプレナスなでしこリーグ(1部)の吉備国際大学と対戦する入れ替え戦に進出。しかし、PK戦の末、昇格することができませんでした。PK戦での決着でしたが、自力に差があると感じたことを私は覚えています。当時のスフィーダ世田谷FCは丁寧にパスを繋ぐサッカーで安定した成績を残し、毎年のように、あと一歩で1部に昇格という順位を続けました。ところが、スタイルの変化を図った2019年シーズンは低迷。機会をいただければ、これまでの歩みについてインタビュー記事を掲載しようと思います。

コロナ禍での難しい戦い

スフィーダ世田谷FC の優勝をはじめ、2020 プレナスなでしこリーグ2部は大きな変化がありました。優勝したスフィーダ世田谷FC7位の大和シルフィードの勝ち点差は11。各クラブのレベルが向上し大混戦でした。オルカ鴨川FCは過去最高の3位。選手の多くは医療法人鉄蕉会(亀田総合病院をはじめとする医療法人)に勤務しています。亀田総合病院は全国でも指折りの大規模な病院です。中国・武漢からの帰国者を受け入れた「勝浦ホテル三日月」は亀田総合病院の監修・指導のもとで防疫体制を整備して営業を再開したことが報じられました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)により、最も大きな影響を受けたクラブといえるでしょう。見事な戦いぶりでした。

例外となったのがプレナスなでしこリーグ1部復帰を目指した日体大FIELDS横浜。低迷し9位に終わりました。特に失点46は最も多く、多くの人の予想を裏切る結果になりました。

WEリーグ参入は2+1クラブ

プレナスなでしこリーグ210クラブの中でWEリーグに参入するのはちふれASエルフェン埼玉とAC長野パルセイロ・レディース。そして、FC十文字VENTUSを母体にして大宮アルディージャが新チームで参入することが決まっています。大宮アルディージャが、今後、どのようなチームを作っていくのかに注目が集まります。惜しくもWEリーグ参入を逃した大和シルフィードは株式会社を設立。横浜F・マリノスから移籍してきた代表取締役社長 大多和亮介さんによる、これまでの女子サッカークラブにはないマーケティング手法が注目を集めています。2020121日には大多和亮介さんがオンラインイベントに登場します。

コロナ禍を生き抜くビジネス思考法とは? 柔軟な思考と強い対応力を生む「レジリエンス」の身に付け方

・永里優季選手(はやぶさイレブン)
・佐伯夕利子氏(Jリーグ理事/WEリーグ設立準備委員/スペイン・ビジャレアル在住)
・大多和亮介氏(大和シルフィード株式会社 代表取締役社長)

プレナスなでしこリーグ2部も新時代へ

2021年のプレナスなでしこリーグ2部はWEリーグを1部リーグとする3部リーグとなる見込みです。日本の女子サッカーの構造が変わることで、新たな課題が浮上することでしょう。しかし、日本のサッカー界において、この15年間で女子リーグ2部(プレナスなでしこリーグ2部)ほど大きく変化し、レベルを急上昇させたリーグはないと思います。もはや、1部リーグから降格したクラブは昇格の本命とも言い難いレベルです。きっと、課題は解決し、プロ女子サッカー時代の新たな役割を担うことになるでしょう。

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)により、困難な状況の中でリーグ戦を無事に消化できたことは偉業です。関係者の皆さんに感謝申し上げます。

 20201116日 石井和裕)

記事公開時に2019シーズンの成績に誤りがありました。申し訳ありません。訂正しお詫び申し上げます。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ