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2014年12月8日、カシマスタジアムの思い出(えのきどいちろう)

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。

2014年12月8日、カシマスタジアムの思い出(えのきどいちろう)えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』百四十八段目

 

 

■2014年12月8日

2月の平日ナイター開催だった。J1第3節、鹿島-新潟(2/16、カシマ)。「立春寒波」は何波かやって来て日本海側に雪害をもたらしたが、この週明けから少し温暖な気候になっていた。それでもダウンコート持参だ。街なかでは少し変な目で見られようと、しっかり防寒着は用意する。案の定、夜になってカシマスタは冷え込んだ(といって2/22、第2節清水戦14時開催の方が寒かったが)。

アルビは西都市の一次キャンプ、都城市の二次キャンプ、高知市の三次キャンプに続いて、開幕後3節続いた大阪市滞在のトレーニング(つまり、1か月半にわたる旅暮らし)をここで終わらせる。

僕は東京駅八重洲口からカシマスタジアム行きの臨時バス乗車だ。開幕から日産スタジアム、IAIスタジアム日本平、カシマサッカースタジアムとアウェー続きだったが、大雪に悩まされる新潟のサポーターよりはるかに身軽に現地入りできた。1、2節は泣く泣く観戦をあきらめたサポが出たほどだった。特に第2節、新潟から静岡への移動はクルマがいちばん便利なのだが、大雪のなか山越えするルートになる。愛するチームへのロイヤリティーとはいえ、事故が起きないかと気が気じゃなかった。

その日は何とか勝って(今季初勝利を挙げて)、3月のホーム開幕につなげたいとバスに揺られたのだ。日も暮れてスタジアムの明かりが見えたとき、色々思い出してグッと来てしまった。僕はこのスタジアムが好きだ。良い思い出ばかりある。2002年の日韓ワールドカップでアルゼンチンーナイジェリア戦を見て、心躍らせたのも忘れがたい。が、いちばんの思い出は2014年12月大雪の新潟-柏戦代替開催だ。あのとき、鹿島アントラーズにスタジアムと練習場を貸してもらった恩義は胸に刻んでいる。

 

 

2014年J1第34節はもう10年以上前の出来事だ。他サポはもちろん、アルビサポ&柏サポでも年若い層は知らないかもしれない。本来は12月6日ビッグスワン開催の予定だった。前夜からの大雪はいっこうにおさまらず、開催の可否が焦点となる。僕は朝早く東京の自宅から新潟へ向かった。まぁ、僕は新潟日報スポーツ面とアルビレックス公式に連載コラムを持っている。もし、開催中止になればそのリアルを取材する必要があった。前泊した柏サポも多かった。当日朝出発の柏サポ&関東在住のアルビサポも動きだした。今もよくXで投稿されているじゃないか。「サポーターの朝は早い」のだ。

 

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