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【森雅史の視点】2024年9月28日 J1リーグ第32節 横浜F・マリノスvsFC東京

J1リーグ第32節 横浜FM 1(1-1)3 FC東京
17:03 キックオフ 日産スタジアム 入場者数28,601人
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大敗が続き、勝ちがほしい横浜FMの焦りが目立った試合だった。5分、ペナルティエリア内でアンデルソン・ロペスがヤン・マテウスとのパス交換から抜け出して横浜FMが先制点を奪う。理想的なオープニングを飾った横浜FMはその後も積極的にFC東京陣内に攻め入った。ところが16分、右サイドに進出した長友佑都のパスをゴール前の荒木遼太郎が狙い、最後はこぼれたところを岡哲平が決めてFC東京が同点に追いついた。

 

この試合で取り上げておかなければいけないのは川俣秀主審の笛だろう。選手が倒れたとしても深刻なケガでないと見ればしっかりと流していた。選手たちは最初こそ不満を表すことがあったものの次第に判定基準を理解し、プレーを続けるようになった。そしてその主審のジャッジが決勝点を生むことになった。

 

60分、中盤でディエゴ・オリヴェイラが倒された。ディエゴ・オリヴェイラは倒れて痛がる。だがそのボールが俵積田晃太につながり、俵積田はドリブルで力強く進んでゴールに蹴り込んだ。主審の見事なアドバンテージ適用だったし、選手が主審の基準の意図を理解し、走り続けた結果だった。

 

こうなるとFC東京は後ろに引いてブロックを敷き、守備を固めて本来チームが得意とするカウンターの態勢を整えた。横浜FMはバランスを崩しつつ攻め入るが、なかなかスペースを見つけられない。そして何度もFC東京の速攻に苦しんだ。ついには89分、クロスから仲川輝人が決めてFC東京がトドメを刺した。

 

素晴らしい試合の入りを見ても、横浜FMの調子が極端に悪いとは思えない。そのきっかけは10月2日のACLE、ホームの蔚山戦でつかめるのだろうか。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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