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【森雅史の視点】2024年8月17日 J1リーグ第27節 FC町田ゼルビアvsジュビロ磐田

J1リーグ第27節 町田 4(3-0)0 磐田
18:06キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数12,306人
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4分のゴールがこの試合の大筋を決めた。杉岡大暉のCKを中山雄太がヘディングでゴール右下に叩き込み、先制点となった。これで磐田の動きが硬くなる。29分には長いVAR検証の結果、エリキのゴールが認められ、45+2分には左サイドを突破したオ・セフンのクロスを藤本一輝が丁寧に蹴り込んで勝利を確定させる。さらに58分、自らのクロスでハンドを誘った藤尾翔太がPKを決めて4点目。町田にとって久しぶりの快勝だった。

 

試合後、川島永嗣は「この結果を受け止めなければいけないと思う。球際のところでもそうだし、単純なとこですけど、そういうところで自分たちは前半特にやられてた。自分たちがよりボールに 行かなければいけない。そういう根本的なところを見直さなければいけないと思います。いいい時間を増やすことも大事ですけど、難しいときに耐えるということも次の試合に向けては大切だと思うので、しっかりもう1回自分たちの中でクリアにしてやりたいと思います」と改善すべき点を語った。

 

実のところ先制点は、杉岡のキックが狙いから逸れたところに、前日練習では「全般的によくなかった」と本人が語る中山が合わせたもの。しかもセットプレーからであり、磐田が気落ちすることはなかった。また、その後は町田の高さを生かした攻撃に苦しんだが、25分には平川怜のCKから鈴木海音が頭でゴールを脅かすなど決してチャンスがないわけではなかった。それでもだんだん競り合いに負けてしまうようになったのは、残留圏にいるという心理面が作用しているように見える。4点差がついてもより一層の声援をおくっていたサポーターのためにも、奮起が期待される。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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