初めて経験した『敵地・札幌ドーム』(えのきどいちろう)
『タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。
初めて経験した『敵地・札幌ドーム』(えのきどいちろう)えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』百三十二段目
■23年目の札幌ドーム
6月最終週、「初めてのスタジアム」に連続して行く機会を得た。1つはエディオンピースウイング広島(J1第20節・広島×新潟戦)、もう1つは札幌ドーム(同第21節、札幌×新潟戦)だ。ピースウイングは今季、話題沸騰の新スタジアムである。当リレー連載でも先月、海江田哲朗が取り上げたばかりだ。サッカーの見やすさ、屋根の反響によるチャントの迫力、そして街なか立地の経済効果等、多くの方が指摘されてる通りだった。これからのJリーグスタジアムの範となり得る素晴らしい会場だった。
そして札幌ドームである。おそらく読者は意外に思われるだろう。開業は2001年だからもう23年も経っている。実はサッカースタジアムとしての札幌ドームに入ったのは今回が初めてだった。コンサドーレ札幌のホーム開催はJ2時代から何度も行ってるが、すべて厚別だった。実は僕は北海道移転の前年(2003年)から北海道新聞にファイターズコラムを寄稿し、20年の長期連載を続けてきた。道新の影響力は大きくて、たぶん北海道では僕は「野球ライター」として認知されていると思うのだ。当然、札幌ドームには数限りなく通って、球団スタッフや地元放送関係者にも知己が多い。日本シリーズをはじめ、思い出の染み付いた球場だ。
ただ当たり前だが、札幌ドームでプロ野球が開催されている日程で北海道取材を組むと、Jリーグ開催は100パー厚別になる。だからホバリングステージで天然芝ピッチが運び込まれる「サッカーモード」はテレビ中継で見ているだけだった。アルビ公式でコラムを書くようになってからはお互いなかなかカテゴリーが合わず、去年やっとアルビのJ1復帰が叶ったと思ったら、2023年第21節は大雨の厚別開催だった。
というわけで「初アウェー」「初サッカースタジアム」の札幌ドーム体験なのだった。ファイターズの新本拠地、エスコンフィールド北海道の開業が2023年だから、地下鉄東豊線に乗ること自体、久しぶりだ。福住駅で降りて地下通路を歩き、エスカレーターで地上へ上がる。駅の通路にコンサの人気選手のタペストリーが下がっている。以前はあそこにファイターズとコンサの選手が交互に掲示されていたものだ。中田翔がシーズン途中、巨人に電撃移籍したとき、彼のタペストリーが差し替えられ、何ともやりきれない思いになった。
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