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【六川亨の視点】2024年5月11日 J1リーグ第13節 FC東京vs柏レイソル

J1リーグ第13節 FC東京3(3-1)3柏
17:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者22,325人
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前半37分、左CKのクリアをペナルティーエリア右外で待ち構えていた松木玖生が左足ボレーで左サイドネットに沈める。今シーズンのFC東京でベストゴールともいえる鮮やかな一撃だ。このゴールでFC東京が3-1とリードを広げたことで、リーグ戦4連勝の期待がかかった。ところが前半45+2分、森重真人が自陣ゴール前の右バイタルエリアで細谷真大を抜こうとしてボールを奪われる。フリーの細谷に対し、GK波多野豪がエリアを飛び出してアタックに行って倒したことで、当然ながら波多野は一発レッドで退場処分。柏の先制点も仲川輝人が自陣ゴール前の左バイタルエリアでドリブル突破を試みて引っ掛けられ、そのこぼれ球をマテウス・サヴィオに決められたもの。経験豊富な2人にしては、あまりにも軽率なプレーだった。そして波多野も2点のリードがあったのだから、無理して細谷を止める必要はなかった。

 

前半はFC東京のプレスに、細谷と小屋松知哉の2トップへのロングパスが多かった柏だが、数的優位の後半は細かくパスをつないで攻め込んだ。後半のFC東京のシュートが1本なのに対し、柏は10本。4度の決定機のうち2回を決めて同点に追いついたが、「欲を言えばひっくり返せた」(井原正巳監督)試合でもあった。そしてピーター・クラモフスキー監督は波多野の退場シーンについて、「フットボールというのは色々なシナリオの中で、色々な場面が訪れる」と明言を避けたものの、川崎F戦での波多野の退場と東京V戦での安斎颯馬の退場を引き合いに出し、「今シーズンは何度か1人少ない試合があった。最後まで11人で終わらないといけない」と苦言を呈した。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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