J論プレミアム

あったかくてJリーグ的な他サポ連合(えのきどいちろう)

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。

あったかくてJリーグ的な他サポ連合(えのきどいちろう)えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』百十八段目

 

 

■どんなもんだ、J2!

ACLヴァンフォーレ甲府-メルボルン・シティFC戦から一夜明け、この原稿を書いています。まだ昨夜の楽しかった余韻が残っている。3対3のドロー(会場のスタジアムDJさんはなぜか試合終わったのに「同点です」とアナウンス)は「終盤追いついてのドロー」なので後味がいい。メルボルンとはホーム&アウェーでドロー2つ、勝ち点2をゲットでした。ACLの常連メルボルンは勝つつもりでいたでしょうから、「どんなもんだ、J2舐めんな!」というところでしょうか。

結局、なんやかやで僕は甲府のACLホーム戦3つともチケットを買って見に行きました。まぁ、東京・浅草在住なので国立競技場までは銀座線で1本です。

最初は10/4のブリーラム・ユナイテッド戦。実は2016年春、僕の追いかけてるアルビレックス新潟はタイキャンプを実施し、国際招待試合でブリーラムと戦ってるんですよ。僕もタイ東北部(イサーン)のブリーラムへ出かけました。ここがすごいところでサッカースタジアムとF1サーキットが併設されてるんだけど、全部オーナーの持ち物なんですね。広大な敷地が全部私有地。そのとき、現地へ行った新潟サポ有志が、ブリーラムのレプリカユニを買ってたので、久々に集合して国立のブリーラム側応援席に陣取りました。こういうことでもなければなかなかレプリカユニを着る機会がない。

だから行動としては議論を呼んだ「他サポ連合」とはそもそも別派だったんです。ただ心情的には、大会規定で小瀬が使えないヴァンフォーレ甲府をチケットを買うことで支援したいという気持ちがあった。そこは「他サポ連合」と同じですね。国立競技場を使用する経費はヴァンフォーレにとって大きな負担だろう。(1人、新潟から上京して観戦しましたけど)自分らは新潟サポといっても関東在住だ、山梨県から平日ナイターに出て来るよりはずっと身軽だ。駆けつけよう駆けつけようという感覚。

で、すっかり味をしめちゃったんですね。ブリーラム戦はタイ人の皆さんとの交流も良かったし、それから報道にもいっぱい出たけど、ヴァンフォーレ側のつくった応援の空気が素晴らしかった。「他サポ連合」はSNSで賛否両論だったけど、僕は現地であったかいなぁと思った。「サッカー・ファミリー」みたいな括り方が欺瞞だという物言いもわかるんですよ。ひとつのクラブの試合に他のユニ着た人間が立ち入っちゃいけないという常識的な話。だけど、あったかくてJリーグ的だと思った。

 

■甲府のプレステージを大いに高める効果

というわけで、(僕らは新潟ユニは着ないけれど)次回も甲府のACL戦見に来ようと話がまとまったんです。

 

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