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【六川亨の視点】2023年5月24日 ルヴァンカップ第5節 FC東京vsセレッソ大阪

ルヴァンカップ第5節 FC東京0(0-0)0セレッソ大阪
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数8,376人
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両チームにとって決勝トーナメント進出のためには喉から手が出るほど欲しい勝点3。とはいえFC東京は2日後にリーグ首位の神戸戦が控えている。対するC大阪も3日後には16位に浮上した横浜FC戦がある。ルヴァンカップでの勝利を目指しつつ、リーグ戦も視野に入れての戦いは、この2チームだけでなく全チームに共通した悩みでもあった。

FC東京は攻撃陣にほぼリーグ戦の主力を並べてきた。その理由をアルベル監督は「ルヴァンカップにおいて私はホームでは勝利を収めたいと伝えてきた。ルヴァンカップが始まった当初よりケガ人が戻ってきたことも影響している」と述べた。その一方でFWディエゴ・オリヴェイラとMF東慶吾が前半で退いたことについて「プレー時間をうまく抑えた。45分は負荷の高いトレーニングです。(ベンチ外だった)仲川や長友はフレッシュな状態で(神戸戦を)迎えられる」と2試合をセットで考えての起用を明かした。対する小菊昭雄監督もGKヤン・ハンビンをデビューさせた他、FWレオ・セアラやMFジョルディ・クルークスらをベンチスタートにするなどFC東京とは逆のケースで主力の温存を図った。

試合は「両チームとも勝点3を目ざして、スコアは0-0でしたが非常にアグレッシブに戦い、球際のバトルも含めて両チームが勝ちたい気持ちを強く出して戦った」(小菊監督)ゲームだった。両チームともビルドアップではワンタッチパスの連続で相手のマークを剥がすなど、チーム戦術が浸透していることを伺わせた。ただ、シュートに正確性を欠いたことで「ゴールの遠い試合」でもあった。それでも終了間際のジョルディ・クルークスの2本のシュートとレオ・セアラの強烈なヘッドを「決定的なセーブ」(アルベル監督)で防いだGK野澤大志ブランドンの活躍がなければ、明暗の分かれた試合になったことだろう。そしてこの結果、BグループとEグループは最終節まで4チームに1位通過の可能性が残る大混戦となった。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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