日本初の1試合予想くじ「WINNER」は面白くも悩ましい(海江田哲朗)
『タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。
東京ヴェルディは開幕戦勝利で好発進!
日本初の1試合予想くじ「WINNER」は面白くも悩ましい(海江田哲朗)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]九十九段目
■キャンプ取材はこのためにあった!?
長すぎると思われたオフは、年が明ければ開幕まであっという間だった。
1月中旬から2月初旬まで、僕は東京ヴェルディの静岡キャンプに密着。毎日、早起きして練習取材に出かけ、せっせと記事を書き、朝昼晩の食事をとり、サウナで一日の疲れを癒し、ラジオを聴きながら早めに就寝する。じつに規則正しい生活を送ったおかげでコンディションはすこぶるよく、2、3キロ太った。
そんな折、キムタクのテレビCMで日本初の1試合予想くじ「WINNER」なるものが売り出されているのを知った。20数年前、toto導入の際はギャンブル性に関してあれだけ大騒ぎしながら、いつの間にそんなことが可能になったんだ。
フリーランス業界を震撼させているインボイス制度しかり、自分のあずかり知らぬところで重大な法改正がなされ、しれっと動き出している。政治から距離を置いているせいだとわかっちゃいるけれども、かったるくてまともに付き合っていられない。選挙権の行使がせいぜいである。
かくなるうえは、ひとつ試してみようかと興味が湧いた。
狙いは当然、東京Vのゲームだ。ツエーゲン金沢との開幕戦、僕は勝利を信じて疑っていなかった。このためにプレシーズンのキャンプに全日程帯同し、コツコツ取材を重ねてきたとも言える(言えない)。
2‐0(オッズ4.8倍)と2‐1(オッズ5.3倍)に1000円ずつ入れた。前者は先制し、相手が前に出てきたところをカウンターで仕留める理想的な勝利。後者は開幕戦特有の硬さから1失点の可能性はなくもないと考えた。「WINNER」公式サイトのほか、ヤフーや楽天などの提携サイトで驚くほどあっさり買うことができる。
■いつもと違う気持ちが湧き上がる
試合は開始から東京Vが優勢にゲームを進め、金沢を一方的に押し込む展開。だが、ゴールを決められずに前半を終える。ついに先制点を奪ったのが68分だ。河村慶人の入れたクロスに途中出場の加藤連が頭で合わせ、ネットを揺らした。よっしゃ!
点が入るのがちょいと遅かった感はあるが、まずまず想定したとおりの流れだ。このときから僕はアレ?なんかいつもと心持ちが違うと思い始めていた。
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