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小林慶行監督のジェフユナイテッド千葉に注目だ!(海江田哲朗)

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。

 

新人監督よ、フクアリを存分に沸かせてくれ。

 

小林慶行監督のジェフユナイテッド千葉に注目だ!(海江田哲朗)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]九十七段目

 

■今年も混戦必至なJ2

大願成就、待ったなし。今年の東京ヴェルディはひと味もふた味も違うぞ。ふがふがと鼻息を荒くして新年を迎えた。

昨季、途中から指揮を取った城福浩監督に導かれ、最後は5連続クリーンシート&6連勝でフィニッシュ。最終順位は9位だったが、一時は絶望的だったプレーオフ圏にあと一歩まで迫る粘り腰を見せた。攻守がシームレスにつながり、ちょっとやそっとでは揺るがない骨太な戦い方は近年の東京Vにはないものだった。

就任2年目の今季は、否が応でも期待は高まる。勝負気配がプンプンだ。

こうなると、他チームの動向が気になって仕方がない。いつもは何よりも先に自分たちのフォーム固め、取り組むサッカーが形になるかどうかが気がかりで、よその状況は二の次。気にしたところでどうにもなるまいと考えていたが、結局、順位は相対的なものだから相手次第になってくる。

J2全体を眺め、J1復帰を狙うベガルタ仙台、優に2チーム分つくれそうな戦力の清水エスパルス、昨季3位のファジアーノ岡山、大崩れはないだろうモンテディオ山形、体制を一新して大補強を敢行したFC町田ゼルビアなど、手強そうなチームがゴロゴロしている。今年もいくつかの媒体でやるだろう順位予想は、おおいに頭を悩ませそうである。

取捨が難しいのが、ジェフユナイテッド千葉だ。今回がトップの監督デビューとなる小林慶行監督には注目せざるを得ない。選手時代はヴェルディ川崎/東京Vでキャリアを歩み始め、大宮アルディージャ、柏レイソル、アルビレックス新潟でプレーした。ピッチではクレバーに戦い、語り口は理知的そのもの。僕は2001年、東京Vを取材し始めたときからしばらく接し、こういう人が将来は指導者になるんだろうなと思わせられた。

 

■引退直後の小林慶行は何を思う

そういえば、2012シーズンをもって現役を退いたあと、僕が仕事をしていた専門誌に寄稿してもらったことがあった。記憶はおぼろげだが、「サッカーしかやってこなかったから、新しいことにトライしたい。書くことにも興味がある」と小林から聞き、面白そうだから何か書かしてやれとなったように思う。行きがかり上、僕が編集者として原稿のやり取りを請け負うことになった。現役生活の振り返りと引退後のビジョンをテーマに、400字詰め原稿用紙10枚を発注した。

どっかにあるはずだと本棚を漁ったら、あったあったありました。2013年4月の『Soccer KOZO 006』(白夜書房)。タイトルは「これから指導者になる僕の覚書」とある。

 

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