J論プレミアム

【田村修一の視点】2022年10月29日 J1リーグ第33節 横浜F・マリノスvs浦和レッズ

J1リーグ第33節 横浜FM4(2-0)1 浦和
15:04キックオフ 日産スタジアム 入場者数46,387人
試合データリンクはこちら

 

横浜FMが鮮やかな復活を遂げた。委縮して自分たちのサッカーがまったくできなかったG大阪戦、磐田戦とはうって変わり、アンジェ・ポステゴグルー前監督時代から築きあげてきた攻撃サッカー——前線からのプレスとプレーの強度、スピード、流動性——で浦和を圧倒。2週間半のインターバルも功を奏し、失点を喫した後もプレー強度は最後まで落ちなかった。

今季を総合的に評価したとき、横浜FMが優勝に値するチームであるのは間違いない。プレースタイルがまったく異なるとはいえ、クオリティの面で現王者の川崎でさえ横浜FMには少し及ばない。ただ、優勝できるかとなると……。G大阪戦、磐田戦で露呈したメンタル面の不安定は克服できた。次の神戸戦でも、足がすくんで自分たちのスタイルを貫徹できない可能性もないわけではない。一方、勝ち点差2で追う川崎は、今季プレー面での躍進著しいFC東京とのアウェーでの多摩川クラシコ。最後までどうなるかわからない。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ