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「どこも落ちてきて欲しくない」。J2視点で見る超ハイレベルなJ1残留戦線の行方

 

あまりに熾烈なJ1残留争い。残り4~5試合で12位清水エスパルスから17位ガンバ大阪までが勝点3差にひしめき合う空前絶後の戦いになっています。はたして落ちるクラブ、残るクラブはどこなのか? それぞれのクラブの残留タスクとは?
そして残留への特効薬はあるのか? サッカーライターの西部謙司氏に聞きました。
今季は安全圏でも今後、J1残留を争いたくないクラブ関係者も必読の内容、前編後編の2回に分けてお届けします。

→前編:J1残留の特効薬はある? それでも危うい神戸から奇跡を願う磐田まで「降格候補7クラブの残留タスク」を問う

【おもな記事内容】
・今季の残留ボーダーラインは36か37?
・やってはいけない残留争いでの悪手とは?
・北海道コンサドーレ札幌はよほどのことがなければ残留確定
・清水エスパルスはほぼ安全圏なのか?
・ヴィッセル神戸はあまり打つ手はなし? 残る危うさ
・本当はもっと強いアビスパ福岡。不運を乗り越える最後の頼みはあの選手?
・湘南ベルマーレと京都サンガに求められるのはもっと走ること?
・ガンバ大阪は迷走しなくなり残留が見えた?
・ジュビロ磐田が奇跡を起こすために何が必要?
・「どこもマジで強い」「落ちてきて欲しいクラブはない」J2視点で見る空前絶後のJ1残留戦線
・残留のための特効薬とは? ……など

 

■残留するクラブと降格するクラブの境界線

―残留するチームと落ちるチームの傾向って何かありますか? これやっちゃうと漏れなく落ちるみたいな悪手など。

いや、そもそも監督交代している段階でチームはうまくいっていないわけです。だから交代したからってものすごく効果が出るというケースは実はそんなにない。

―確かに。解任ブーストも短期的な効果はあっても、だいたい長続きはしません。以前調べたデータだと、解任してもしなくても中期的には勝点ベースで明確な差異がないと出ました。あくまで対処療法という感じでしょうか。

そうですね。清水はまだわからないけど安定はしてきてる。ガンバはうまくいってはいるんだけど、ちょっと時期的に遅かったかもしれない。
名古屋で風間さんが解任され真逆のフィッカデンティが就任して残留したことがありましたよね。チーム作りとしてはシーズン中に1回壊してるわけですが、それでも残留できたのは守備的な監督の効果は早く出やすいということでもある。ただ、あれもタイミングは9月でしたよね。

―残り8試合のタイミングでした。で、1勝3分4敗。

そう考えるとガンバは8月で残り10試合ですか。タイミングはぎりぎり間に合っていると思いますが、名古屋のケースほど修正ポイントが大きくないぶん効果も限定されるだろうとは思います。

―やはり守備を立て直せる人を起用するのが残留争いの定石ということですか。

負けにくくはなる。残留争いしているということは簡単に言えばそのチームは他より弱いということ。つまり、ほとんどが強いチームとの対戦になるわけなので、守備が計算できて接戦に持っていくほうが戦い方としては安定します。

―磐田の場合はそんな感じは受けません。なぜ監督を代えたのか?

渋谷洋樹監督はコーチからの内部昇格ですよね。となると名古屋のフィッカデンティみたいな劇的な変化は起こらない。チームの戦力は把握しているので引継ぎやすいけど、大きな変革もないという感じ。大きく変えるリスクよりも修正で乗り切ろうっていうことですよね。実はそんなに現状というか方向性自体は悲観してないのかもしれないですね。

―残留するための特効薬みたいなのはあると思いますか?

ベタですけど、薬があるとすれば補強ですよね。やっぱりすごいのが来ればチームは活性化する。清水とガンバはそういう意味ではちゃんと補強しましたよね。神戸もしてるけど、ちょくちょく補強しているのでもうよくわらかない(笑)。

―飯野七聖とか小林祐希とか。

去年が凄すぎたのでそれと比べるとインパクトはちょっと弱いですね。

 

■トップがワンマンだともう勝てない

―神戸は監督にお金をかけていないイメージです。

 

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