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【六川亨の視点】2022年6月25日J1リーグ第18節 横浜F・マリノスvs柏レイソル

J1リーグ第18節 横浜F・マリノス4(3-0)0柏レイソル
16:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数23,368人
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首位の横浜F・マリノスと勝点4差の4位・柏レイソルとの一戦は、横浜F・マリノスが4-0の大差で勝利を飾り、勝点を37に伸ばした。一方、敗れた柏レイソルは勝点30のまま得失点差で5位へと後退した。

前半なかばで3-0となった時点で勝負は決まった。17分、水沼宏太のタテパスをレオ・セアラがヒールで戻すと西村拓真が至近距離からシュート。これがスライディングしたCB高橋祐治の足に当たって大きくバウンドし、GK佐々木雅士の頭上を越えてゴールに飛び込んだ。この1点は、「不運」と言えなくもない。

ただ、レオ・セアラへの寄せは甘かったし、西村を簡単にペナルティーエリアに入れてしまったことでの失点だった。問題は19分の2点目で、CB古賀太陽が前線へフィードするかと思ったら、CB上島拓巳にバックパス。上島はパスを予想していなかったのか、詰めてきたエウベルが視野に入ったせいなのかトラップミス。これをエウベルに拾われ、最期はレオ・セアラに致命的な2点目を決められた。

28分の3点目も左スローインをレオ・セアラに胸で落とされると、これを拾った水沼が強烈なボレーで突き刺した。シュートそのものは素晴らしかったが、水沼へのマークが甘かったのも失点の一因だ。

ネルシーニョ監督は「ゲームの入りからロッカールームにいるような雰囲気のままピッチに入ってしまった。気持ちの緩みを相手に突かれ、前半の序盤に立て続けに2点、もう1点と得点を許してしまった。守備の部分でミスが続いてしまったこともあったが、何といっても入りの部分でアラートに入れていなかったところが最後まで尾を引いた」とメンタル面で後手を踏んだことを悔やんだ。

4位とは思えない“脆さ”を露呈した柏レイソル。単なる1敗以上に、この敗戦はダメージとして残るかもしれない。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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