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【田村修一の視点】2022年3月20日 J2リーグ第5節 ジェフユナイテッド千葉vsザスパクサツ群馬

J2リーグ第5節 ジェフユナイテッド千葉0(0-1)1ザスパクサツ群馬
14:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者5,249人
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前後半がまったく異なる様相のゲームだった。前半の群馬の攻撃は素晴らしかった。先制点でのストッパー山中のオーバーラップとクロス。ニアに走り込んだ平松のワンタッチコントロール。同じことをもう一度やれと言われても、100回に1回できるかどうかの見事なゴールだった。その後も群馬はリズムに乗って攻め続けた。流動的なポジションチェンジとオーバーラップで千葉のプレスを無力化し、攻撃の形を作り出した。だが、後半になると千葉が主導権を握る。選手交代が功を奏し群馬のブロックを押し込めた。得点できなかったのは、味方を追い越すダイナミックな動きやダイアゴナルな動きができず、フィニッシュの効率も欠いたから。コロナ禍の難しい状況とはいえ、課題が端的に明らかになった。千葉の現状と群馬の可能性、その両方を感じさせた試合だった。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

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