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【田村修一の視点】2021年10月30日YBCルヴァンカップ 決勝 名古屋グランパスvsセレッソ大阪

JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 名古屋グランパス 2(0ー0)0 セレッソ大阪
13:09キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者数17,933人
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試合に至るまでの両者の事情がどうであるにせよ、前半はスタートを除き守る名古屋、歩くセレッソという展開。これほどまでにインテンシティの低い試合を見るのは久々のことであり、カップ戦決勝特有の緊迫感・緊張感も欠けていた。後半、名古屋の先制点の後は、マッシモ・フィッカデンティ監督が見事な戦術的マネジメントを見せてゲームをコントロールし、セレッソの攻撃を封じ込めた。セレッソは戦術やシステムを変えて名古屋の守備に穴を開けようとしたが、選手が動かなければどうしようもない。乾貴士はセレッソの攻撃のリーダーではないのか。だが中途半端なスプリントと中途半端な立ち位置で不必要にボールを要求する派手なゼスチャー以外に目立つ場面はなく、チームに貢献したとは言い難かった。決勝の大舞台で、全盛時の彼の影ですらなかったのが残念だった。

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

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