西部謙司 フットボール・ラボ

日本代表、最大のミステリー!「左SB不在」の代表選考にみるチーム作りの狙いとは?

不思議な不思議な日本代表選考ではないが、日本代表の左サイドバック(SB)はどうなるのか今回の代表選考では最大のミステリーだ。そこにある意図とは? そこにどのような覚悟はあるのか、ないのか。読み解いてみました。

左SB不在の謎

6月の強化試合に向けて日本代表メンバー26人が発表されました。Jリーグからは大迫敬介、森下龍矢、川崎颯太、川村拓夢が選手されています。大迫のほかは初選出ですね。伊藤涼太郎が入っていないとか、大迫勇也はどうした、鈴木優磨はやっぱりいないのか、などなど様々疑問点はあると思いますが、個人的に「?」と思ったのが左SBの人選です。

26人をポジション別に並べてみます。システムが4-3-3なのか4-2-3-1なのか(3-4-2-1も?)わかりませんが、MFはアンカータイプ、8番タイプ(つなぎ役)、10番タイプ(フィニッシュに関わる役)に分けてみました。そうすると、「あれ?」となるのが左SBの空席です。(図1)

試合ではもちろん誰かがここをやるわけですが、かなりミステリアスな選考な気がするので、今回はこの謎について考えてみたいと思います。

左は伊藤と旗手か? 今回も「ボール保持チャレンジ」は中途半端に終わる可能性?

DF枠で選手したのは6人です。前回のウルグアイ、コロンビア戦で2試合先発の菅原由勢、同じく板倉滉。そして名古屋グランパスでは主に右の(左もやります)森下、左SBCBの両方で起用された伊藤洋輝、カタールから参戦の谷口彰悟。

おそらく4バックでしょう。前回もそうでした。現在のチームの攻撃における最大の武器が伊東純也、三笘薫のウイングなのは明らかですから、彼らがウイングバックになってしまう3バックはやらないと思います。3-4-3もないとは言えませんが、あまり代表では馴染みがないですからね。

SBの一番手は菅原でしょう。前回の起用の仕方からみてもそうだと思います。前回選出されていた橋岡大樹がいないので、今回は森下がバックアップになります。

CBは板倉と谷口のペアでしょうか。瀬古歩夢、伊藤が控えます。そうすると左SBが不在になるわけです。おそらくウルグアイ戦で先発した伊藤が左SBなのでしょうが、バックアップがいません。森下は左もできますが、そうすると右が菅原だけになります。

ここで他のポジションに目を移しますと、GK以外で3人選出しているポジションが3つあります。CFは4人選んでいますがここから左SBに持っていくことはないので、MFと左ウイングから誰かを左SBに起用するのではないかと。

可能性としてはユーティリティーの旗手怜央、ウイングバックなら経験している相馬勇紀、やってやれないことはなさそうな川辺駿、守田英正、川村。リードされている状態なら相馬もありですが、たぶん旗手ではないでしょうか。それには戦術的な理由があります。

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