西部謙司 フットボール・ラボ

ブレないでサガン鳥栖。悪夢の大敗を飛躍の糧にするために必要なこと

良薬は口に苦しとはこのことか。湘南のカウンターを受けて大敗したサガン鳥栖。しかし、原因は明確で逆に言えば克服の糸口も見えている。開幕戦で突き付けられた難題にどう挑むべきなのか考えてみました。

今季も鳥栖ラボはゆるゆると続けていきますので(たぶん月一以上ぐらいは更新の意気込み)、よろしくお願いします。

 ※記事のタイトルは編集部の願望込みでつけました。

珍しい鳥栖の5失点はなぜ起きた?

サガン鳥栖が開幕戦で大敗を喫しております。湘南ベルマーレにホームで1-5。他の試合がだいたい僅差だったので目立つスコアですが、試合をご覧になった方はおわかりのとおり前半に微妙なオフサイドで2点取り消されています。まあ、「たられば」で言えば、あの2点があったら前半は3-3だったわけです。

とはいえ、5失点は鳥栖としては珍しい。それなりの理由はあったはずなので、そのあたりを中心に振り返ってみましょう。

スタートのシステムは3-4-2-1でした。昨年とはいくつかの変更があります。

3バックのセンターには新加入の山崎浩介。ボランチには小泉慶の後釜にこれまた新加入の河原創。トップには小野裕二が起用されているので「偽9番」という感じでしょうか。そしてウイングバックは右に岩崎悠人、左に長沼洋一。昨季とは左右が逆になっています。これは岩崎の都合なのか長沼なのか、それとも両者の思惑が一致したものなのかはわかりませんが、これもけっこう大きな変更だと思います。

しかしながら、選手も監督も大幅に変わっていた昨季と比べれば変化はかなり小さく、ベースのある状態でのスタートと言っていいでしょう。

昨季の課題が改善された一方で新たに突き付けられた難題 

5失点の原因ですが、5点目のCKからの失点以外は全部カウンターです。湘南のプレスが素晴らしく、鳥栖のパスワークを寸断してからの素早い攻め込みで得点を重ねています。

プレスの構造は図のような感じ。

鳥栖がサイドへつないだパスに対して猛烈にプレスをかけていて、これを外せなかったことが試合の趨勢を決めました。

こういうハイプレスの相手に対して、鳥栖は

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