3バック戦線に異状あり!? EUROで奮闘した3バック勢力がJリーグでは苦戦している理由【J1前半戦総括】
EUROでは3バックのチームが健闘したが、サンフレッチェ広島、北海道コンサドーレ札幌、湘南ベルマーレ、柏レイソル、大分トリニータといったJ1の3バック勢は苦戦傾向にある。はたしてその理由はどこに? 中断期間に今季のJ1の傾向を総括する。
ポジショナル勢がJ1上位独占は時代の流れ
今季のJ1も折り返し地点に来ました。まだ折り返していないチーム、とっくに折り返しているチームと、日程消化にかなりバラつきがあるわけですが、だいたい半分越したということで中間総括です。
ポイントの1つはポジショナル・プレーですかね。
現時点でのトップ3(川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸)がそれですし、5位の浦和レッズ、6位のサガン鳥栖と上位独占状態になっています。唯一、名古屋グランパスがオーソドックスな4-2-3-1でポジショナル・プレーとあまり関係なさそうなチームとして4位に入っているだけ。6位までの5チームがポジショナル勢ということになります。
他のクラブもある程度は取り入れているとはいえ、ポジショナル色強めのところが上位を固めているわけです。イタリアの優勝で閉幕したEURO2020で出ていた傾向と同じといっていいでしょう。
ポジショナル・プレーの特徴として表に出やすいのがフォーメーションの可変です。欧州ベスト4のイタリア、イングランド、スペイン、デンマークのうちデンマークを除く3チームが可変型でした。そして同じ3チームが4バック(イングランドは決勝含む2試合は3バック)を採用していました。
J1でも川崎、横浜FM、神戸、浦和が4バック。鳥栖は微妙ですがいちおう3バックでしょう。ポジショナルで4バックが上位というのはEUROと同じですね。
逆にEUROと違うのは、ポジショナルへの対抗としての3バック(5バック)勢がJ1ではあまりふるわないということでしょうか。EUROだとベスト4にデンマーク、ベスト8にはスイス、ベルギー、ウクライナが入っていて、ベスト16まで広げても半分が3バックでした。
一方、J1ではサンフレッチェ広島がようやく9位。北海道コンサドーレ札幌が10位。上半分の3バックは2チームだけです。湘南ベルマーレ14位、柏レイソル15位、大分トリニータ18位と3バックは下位グループになっています。
3バック成否のカギは前方の守備か?
ポジショナル・プレー優勢はもう時代の流れでしょう。分岐点はビルドアップですね。
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