サッカー日本代表。ベストメンバーで臨み2試合で12-0は戦力の浪費か。無駄遣いを嘆く
写真:Shigeki SUGIYAMA
中国戦7-0。バーレーン戦5-0。2試合合計すると12-0だ。喜ばしい話に聞こえるが、筆者は勝ちすぎたとみる。それぞれ3-0で十分なのに12点も取ってしまった、と。へそ曲がりだからではない。日本もそうした考え方をしていかなければならない時代に突入したと考えるからだ。
2026年北中米W杯アジア3次予選。日本が所属するC組を多くのメディアは“死の組”だ。大変なことになったと騒いだ。しかし出場枠が4.5から8.5に増え、欧州クラブシーンにおける日本人選手の相対的ポジションが急激に上昇していることを踏まえれば、騒ぐほどではない。監督采配に不安を覚える分を差し引いても大丈夫。それなりに苦戦を強いられるかもしれないが、本大会出場を逃す可能性は限りなくゼロに近い。心配する必要はないと、不安を駆り立てることで関心を煽ろうとするメディアとは一線を画そうとした。
初戦の中国戦を前に、森保一監督は中国脅威論を率先して唱えた。前景気を煽りたいメディアは渡りに船とばかり、それに便乗した。ところが結果は7-0。商売優先のメディアは致し方ないとして、心配になるのは森保監督だ。本当に中国をじっくり研究した末に導かれた脅威論だったのか。見込み違いにも程がある。勝ちすぎてしまった大きな原因のひとつだと考える。
日本に問われているのは、誤解を恐れずに言えば弱者相手にいかに手を抜いて勝つかである。前から述べているとおり日本は選手のクオリティと枠の関係において、世界で最も楽な予選環境の中にいる国なのだ。今季のチャンピオンズリーグ(CL)に出場する可能性のある選手は13人。欧州ランク1位のプレミアリーグでプレーする選手も5人を数える。彼らを含む20人以上の欧州組が代表チームのメンバーに常時、名を連ねる。アジアにはこんな国は他にない。日本は場違い感すら抱かせる豪華メンバーでこの予選に臨んでいることになる。
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