三笘のスーパーゴールとデルピエーロゾーンが生まれた背景。布陣が選手を作る
写真:Shigeki SUGIYAMA
レスター戦の前半27分。左のタッチライン際に開いた三笘薫は、ピッチの中央でパスワークに絡んだ左SB(サイドバック)ペルビス・エストゥピニャン(エクアドル代表)からパスを受けた。と同時に、相手の右SBティモシー・カスターニュ(ベルギー代表)と対峙することになった。
この2人はその5分前にも1対1を演じていた。三笘が内に切れ込むと見せかけて縦方向に切り返すと、ベルギー代表の右SBはたまらず置いていかれそうになった。三笘が一瞬タッチを乱し、本来のルートより内寄りに進むことになったため、縦突破は決まらず、決定機の演出には至らなかった。
だが、それが次の局面の布石になったことは間違いなかった。縦突破のイメージが鮮明に残るカスターニュに対し、三笘がとった手段はカットインで、右足のアウトで突くようにドリブルすれば、視界にシュートコースが広がってきた。エストゥピニャンが献身的にもパス&ゴーで、相手を牽制するように内から外へ駆け抜けたことも、三笘を手助けした。
インフロントで強めに蹴ったその右足シュートは、右のサイドネットに吸い込まれた。スーパーゴール。一言でいえばそうなるが、大感激したか、もの凄く驚かされたかと言えば、それほどでもなかった。三笘ならこのくらいはできる。必然性を感じさせるゴールであったことも事実だった。
先のカタールW杯で披露されてもおかしくないプレーだった。三笘をブライトンと同様の設定でプレーさせたかったと、筆者は森保サッカーに改めて不満を覚えることになった。
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