サッカー番長 杉山茂樹が行く

これって4−3−3? CLのバルサを見てジーコジャパン時代の4−2−2−2を想起した

写真:Shigeki SUGIYAMA

チームは毎シーズン、メンバーが入れ替わる。監督もだいたい2、3シーズンに1度の割合で交代する。チームを取り巻く状況は毎シーズン変化する。成績は上がったり、下がったり。2部に降格することもある。地元ファンはチームの変化をそのつど、受け入れながら応援を続ける。そうした宿命を抱えている。

その点、第3者的な立場のファンは気楽だ。嫌になったら止めればいい。いつでも心変わりできる。レアル・マドリーファンだった日本在住の女性が、クリスティアーノ・ロナウドの移籍を機に、ユベントスファンに転じたところで何も不思議はない。

チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦。ナポリと対戦したバルサは、初戦(アウェー)を1-1で引き分け、第2戦のホーム戦を、少し有利な状況で迎えることになった。

ホームのカンプノウは、ほぼ満員に膨れあがるだろう。バルサは地元ファンから熱い声援を受けるだろうが、世界的にはどうだろうか。移り気な第3者を満足させるだけのサッカーをいまのバルサはしているだろうか。

バルサは、地元カタルーニャ人と密接な関係があるクラブだとされる。開始17分14秒を迎えるとカンプノウに、カタルーニャの独立コールがこだまする。郷土愛に根ざした地元密着型クラブ。バルサを紹介するとき、多くのメディアはここを切り口にする。地元民の視点に立ち、日本には縁遠い文化、習慣だと紹介する。

しかし、それで終わってしまえば、バルサの特異性及び魅力が浮き彫りになったとは言えない。もう一つ、いやそれ以上に特筆されなければならないのは、地元以外での人気だ。

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