サッカー番長 杉山茂樹が行く

本田は「4番」のポジションに向いている。使うならボランチかアンカー。日本代表レースを探る(2)MF編

センターハーフ 井手口リード。追う柴崎、大島、長澤
次は4−2−3−1のダブルボランチと4−3−3のインサイドハーフを兼務しそうな中間的な選手に目を向けたい。

中でも昨年、一番名を上げたのは井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)だ。高い身体能力とボール奪取能力を武器に、スタメンの座を不動にしつつある。だが、その分だけプレーは粗い。昨年11月、リールで行われたブラジル戦では、軽率なクリアを拾われ、マルセロに強烈なシュートを浴びた。E1東アジア選手権でも、同種のミスを犯している。勢いに任せたプレーが目立つのだ。少なくともアンカーに適した資質の持ち主ではない。

評価が難しいのは、長澤和輝(浦和)だ。11月の欧州遠征に初招集され、ベルギー戦に出場したものの、早めにベンチに下がっている。積極的にプレーしたとは言い難い。

E1東アジア選手権の対中国戦で、負傷退場した大島僚太(川崎)も、ハリルホジッチの胸の内が読みにくい選手だ。その言動から察すれば、川崎は自らの趣向と反するチームになる。川崎らしさを象徴する大島についても、同種のイメージを抱いていると考えるのが自然だ。とはいえ大島には、高度なボール操作術がある。途中怪我で退場したE1東アジア選手権対中国戦でも、大島のいる時、いない時で、サッカーには著しい差が出た。いる時の方が、断然よいサッカーができていた。少なくともこちらの基準に従えば。

そしてもう1人忘れてはいけないのが柴崎岳(ヘタフェ)だ。実力的には十分足りている。ラスト半年で、巻き返すことはできるか。守備的MFに加え、サイドハーフ、1トップ下、2トップの一角でもプレー可能。W杯を23人枠で戦う代表監督にとって、こうしたユーティリティ性の高い選手は本来、使い勝手のいい歓迎すべき選手であるはずなのだ。

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